先進国の中でも特にアメリカの不動産投資に注目が集まっている理由は、西京銀行がテキサスとハワイの不動産に対して、物件価格の50%まで融資を開始したからです。融資の担保は現地で購入する不動産だけで良く、国内の不動産を別途担保に入れる必要はありません。金利は円で年2.8%の変動になります。これを活用すれば、18万ドル(約2000万円)の物件が約1000万円の自己資金で購入できます。
アメリカの不動産の賃貸利回りは必ずしも高くありませんから、家賃収入のほとんどはローンの支払いに消えてしまいます。それでも、ローンを借りて購入しようとするのは、減価償却による節税メリットが取れるからです。
アメリカの木造物件は建物の比率が高く、1000万円の物件だと800万円が建物、200万円が土地(建物比率80%)といった配分になっているものが多くあります。
日本の法定耐用年数の22年を超える物件の場合、建物を4年で減価償却できるというルールがあり、これを使えば年間200万円(800万円を4年で償却)の所得税の課税対象額の圧縮が4年間可能です。
所得の大きな人になればなるほど、圧縮効果は大きくなります。ただし、減価償却した分は簿価の引き下げになりますから、将来売却する場合は、土地だけの価格で買った計算になり、5年超の保有でも売却益に対して約20%の税金がかかります。つまり値上がりも値下がりもしなくても、800万円に対して20%の税金が将来かかることになります。だから所得税の税率が20%以下の人はこの方法を使うメリットは無いと言えます。
富裕層だけにメリットのあるこの税法は毎年改正されるという噂が立っており、来年から改正される可能性が高いと思っている人たちが、ローンを使って税の「歪み」にレバレッジをかけようとしているのです。
他の銀行も融資対象の拡大のために海外不動産投資ローンに参入してくるかもしれません。そうすれば更にマーケットは日本人投資家によって活性化します。年末になれば、さらに多くの投資家がアメリカ不動産の築古物件に殺到するのではないかと見ています。
6月24日の第8回世界の資産運用フェアでもこのテーマを取り上げて、具体的な物件もご紹介するブースが出展します。ご興味ある方は当日会場にお越しください。
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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年5月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。