女川の震災復興がスピーディに進んだ理由

丸の内朝大学マネークラスのフィールドワークで東北に来ています。今回は久しぶりに女川にも足を伸ばしてみました。

2年前に来たときにはまだ完成途上だった街は、コンパクトシティーとして生まれ変わり、商店街、宿泊施設、鉄道駅舎が効率的に配置された魅力的な街並みになりました。

他の被災エリアに比べて、スピーディーな復興が進んでいる女川。そこには女川という街の昔からの気質も関係しているようです。

この町には豊富な海産物の水揚げがあり、それに付随し商売も生まれ、一旗揚げようと外から人が次々に入って来る。そして、そのときどきの時流に合わせて、商売のかたちを変える起業家気質があるようです。

この柔軟に変化や多様性を受け入れる土壌が、それが震災後の復興に大きなプラスになったという説明です。

実際、女川には県外から移住して新しいビジネスを始める若者も珍しくなく、東北の中ではユニークな街になっています。

行政や住人の人たちも、外からやってくる人たちに対して開放的。移住も体験プログラムなど様々なプランを用意して、積極的に進めています。

もし、リモートオフィスが可能になれば、女川で東京と同じような仕事をすることができます。自然に囲まれ、おいしいものを食べながら、人情に溢れた人たちと、毎日生きている実感を感じられる生活が実現できるようになります。ここには東京では得られないものがたくさんあります。

面白いのは、震災復興にかける熱い想いを地元のみんなが共有しているのと同時に、現実的な視点を忘れていないことです。

復興にはお金がかかります。そして、お金を稼ぐ力が無ければ、街には人が集まってこないことも良く理解しています。補助金や寄付に頼っているだけでは、次のフェーズでの持続的な街の発展は無い。やはり事業を興し、収益を上げることこそが最大の復興事業だと考えているのです。

急速な勢いでゼロから復興を進めてきた女川。これからの10年がもっと楽しみになってきました。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年6月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。