ジャニーズは芸能界のサントリーを目指すべき時期

奥村 シンゴ

キャスター降板となった小山氏(日本テレビ「news every.」より:編集部)

キャスター降板濃厚

またもやジャニーズメンバーで不祥事だ。

NEWS小山 加藤より重い処分の理由…「報道番組」MC、「主体的」;デイリースポーツ online

今回は、NEWSの小山慶一郎が飲食店に20歳の女性と告げられていたが、19歳の女性が同席していたことが一部週刊誌の取材で明らかになった。

同事務所は、小山が複数の参加者に掛け声に合わせ、飲み物を飲むよう促す行為は否定できないとした。

小山を「当面活動自粛」とし、同席した同メンバーグループの加藤シゲアキも小山の行動を制止しなかったことに「厳重注意」処分を課した。

未成年といっても19歳、はっきり言って多くの男性達が30歳すぎてこれぐらいの女性と飲んだことぐらいあるのではなかろうか。

「謝罪のみでキャスター及び活動まで自粛しなくても」と思わなくもない。

しかし、小山はジャニーズを代表する「NEWS」の一アイドルであり、「news every」(日本テレビ系)のメインキャスターでもある。

NEWS小山慶一郎さん活動自粛=飲酒の席に未成年:時事ドットコム

だから、謹慎処分及び今のご時世、スポンサーへの配慮、クレーム社会への対応を考慮するとキャスター降板はほぼ濃厚と言えるだろう。

芸能界のサントリーを目指せ

近年のジャニーズメンバーの不祥事は男女間のトラブルが相次いでいる。

つい先々月のTOKIO山口の強制わいせつ。

2016年にはHeySayJumpの中島裕翔が泥酔して女性に抱きつく。
2014年には山下智久が路上で20代の男女と口論になり、女性の携帯電話を使用不可にし、器物損壊容疑で書類送検などがある。

私は近年のジャニーズメンバーの度重なる不祥事に対し、事務所のファンやマスコミへ後手後手の対応はどうみても時代に即応しているとは言いがたい。

そのような対応になるのは、ジャニーズは代表取締役社長がジャニー喜多川、代表取締役副社長がジャニー喜多川の実姉のメリー喜多川、副社長がメリー喜多川の娘でジャニー喜多川の姪の藤島ジュリー景子とファミリー経営なのが要因ではないだろうか。

ジャニー喜多川がジャニーズ事務所を設立させたのが1962年で55年以上トップであり続け、もう80歳を過ぎている。
そろそろ改革の時期に来ているのではないだろうか。

100年以上のファミリー経営を脱し、大成功している企業がある。
「サントリー」だ。

サントリーは明治32年の創業から115年間、同族経営であり続けたが、佐治信忠前サントリー会長兼社長が「サントリーらしさを継承しながら、それを発展させてくれる人。サントリーに新しい風を吹き込んでくれる人であり、グローバルに成長させたい」との事から4年前ついに外部から新浪剛史ローソン会長を社長に招へいした。

新浪は「生え抜き社員のみでは、グローバル企業としてうまくいかない」とグローバル事業推進本部を設立。

また、米ペプシコのカナダ法人CFO(最高財務責任者)を経て、2013年にビーム社に入り、直近はCFOを務めていたヴィンセント・アンブロジーノを就任。さらに、アメリカの大手酒造会社のビーム社を買収し、「ジムビーム」や「メーカーズマーク」をヒットさせている。

現在業界動向リサーチの調べによると、清涼飲料水の販売シェアではコカコーラの27.6%に続く20.5%で第2位の位置にいる。

2017年12月期通期の連結決算は、売上収益(酒税込)2兆4202億8600万円(前期比2.6%増)、営業利益2536億3900万円(0.3%増)、純利益2114億4800万円(13.9%増)となった。

飲料・食品セグメントでは、主力の「天然水」「BOSS」などが好調。酒類では、サントリービールが前年同期並みの売上を確保し、ビール類のシェアを16.0%(課税数量ベース)で過去最高。ビームサントリーの「ジムビーム」「メーカーズマーク」の販売数量が2桁増。サントリースピリッツもウイスキー「角瓶」「トリス」などが好調に推移している。

つまり、サントリーは100年以上続く老舗でありながら、ファミリー経営を脱し成功した代表例といえる。

今すぐ変革するのは難しい。
2人は弁護士のコンプライアンス研修を徹底的に受けるそうだ。だが、以後過ちを繰り返さないためには、それでは足らないだろう。

ジャニーズ幹部はサントリーに研修を打診しメンバー全員で受講してみる。
今までみえなかった経営的な視点なり、メンバーの意識改革が多少は進むのではないだろうか。

ジャニーズはテレビや芸能界を牽引してきた存在であり、今後もそうあり続けてほしい。
その為には、50年以上にもわたるファミリー経営を見直し、「芸能界のサントリーを目指せ」とエールを送りたい。

奥村 シンゴ フリーライター
大学卒業後、大手上場一部企業で営業や顧客対応などの業務を経験し、32歳から家族の介護で離職。在宅介護と並行してフリーライターとして活動し、テレビ、介護、メディアのテーマを中心に各種ネットメディアに寄稿。テレビ・ネット番組や企業のリサーチ、マーケティングなども担当している。