dマガジンを購読して気づいた、男性誌と女性誌の違い

膨大な新刊雑誌をネットで読むことのできる「dマガジン」を購読していて、興味深いことに気づいた。

すべての雑誌に詳細に目を通す時間はないので、当初は興味のある雑誌に目を通していた。
習慣化するにつれ、世の中のニーズを探るため、あえて興味のない雑誌にも目を通すようになった。
趣味の雑誌は予想通りだったが、男性総合雑誌と女性総合雑誌には、とても興味深い違いがあることに気づいた。

男性総合雑誌が「出来事」を中心に書かれているのに対し、女性総合雑誌は「人物」を中心に書かれているということだ。

男性総合雑誌が最近起きた事件などが書かれているのに対し、女性総合雑誌は最近注目されている人物などを中心に書かれている。

典型例として、男性総合雑誌に政治や経済ネタが多いのに対し、女性総合雑誌には各界で活躍している人物のことが詳細に書かれている。
もちろんすべてがこのパターンではないが、男性の雑談と女性の雑談を比較すると、それが雑誌の構成にも反映されているように感じた。

男性の雑談が政治ネタから経済ネタ、事件ネタが多いのに対し、女性の雑談は芸能人ネタ、スポーツ選手ネタその他各界で注目されている人物ネタが多い。

あくまで個人的経験だが、著名人などの情報は男性よりも女性の方が圧倒的に持っている。
個々人の力ではどうにもならない世界経済の話題よりも、より身近な人物観察の方が女性にとって関心が高いようだ。
ある意味、女性の方が男性よりも地に足が着いているようだ。

男性同士が集まると、「ドヤ顔」をして大きな話題を披露する輩がたくさんいる。それに対し、女性同士が集まると身近な人物(同じ職場の人たちのように本当に身近な人物)の話題に華が咲くのだろう。

人間観察に長けている分、男性よりも女性の方が「人を見る目」が確かなようだ。
妻の浮気は絶対にバレないけど、夫の浮気はすぐバレるというのも、その典型かもしれない。

日本では、まだまだ女性の社会進出が進んでいない。
男性より人間観察能力に秀でた(つまり「政治力」の高い)女性たちが入ってくるのを、男性経営陣が無意識的に恐れているようにも思える。

日本の会社の経営陣の多くは「社内政治」の勝ち組だ。
自分たちよりも遥かに政治的能力のある女性たちを経営陣に入れたくないと男性たちが無意識的に感じているのだろうか。

そのような思惑が女性の経営参画を遅らせているとしたら、日本社会にとって極めて残念なことだ。

荘司雅彦
PHP研究所
2011-12-22

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年6月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。