「給料が厳しい」「毎月赤字続きでやり繰りが大変」「子供の塾代が足りない」「家族旅行に行きたい」「家族のために貯蓄をしなければいけないのに」など、と考えている人はいないだろうか。そのような人には、今日から節約をはじめることをおすすめしたい。あくまでも、無理のない範囲で行うことが大切である。
今回は、『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)を紹介したい。著者は生方正(うぶかた・ただし)さん。高校卒業後、海上自衛隊入隊。写真員となる。撮影した数々の写真は、部内は元より、国内外の新聞、雑誌、TVに採用され、その功績により7度の表彰を受けている。
車よりバイクを選択して節約
生方さんによれば、バイクの燃費効率は車の約4倍。自動車費は節約をするうえで見直すべきコストだと解説する。
「厚木基地に勤務していたときでした。仲良くなった米軍人から車検が1年11か月残っている中古車を格安で譲り受けました。その車には、当時流行っていたKENWOODのスピーカーに加え、CDチェンジャー(6連)にサブウーハーがついていたので、オーディオ代が浮き随分得した気分で、私のマイカーライフが始まりました。」(生方さん)
「しかし、いざ乗り始めると、米軍関係者のナンバーを日本人が乗ることが違法であり、早急にナンバーを取り直す必要に迫られました。つまり、車検のやり直し。無知が招いた大きな代償でした。しかし、ここから大きな教訓を得ることもできました。それは、車のランニングコストが高いということです。」(同)
生方さんの場合、基地内に住所があったので、駐車場代は無料だった。しかし、車検代、保険代、自動車税、毎月のガソリン代に加え、洗車代、オイル交換が必要であったり、電球が切れた、ラジエーター修理代などが安くないことを知ったそうである。
「計算すると、交通機関の発達している地域であれば、公共交通機関とタクシーを利用したほうがよっぽど安い。何より、非効率と思ったのは渋滞に巻き込まれて貴重な時間を失うことでした。以上のことを踏まえ数か月後には車を売却しました。それ以来、一度も車を所有していません。その代わりに活躍したのがバイクでした。」(生方さん)
「私の所有しているバイクは100CCです。車と同じ制限速度で一般道を走行することができます。燃費効率は車の約4倍、各種消耗品は格段に安く、車検もないうえに、駐車場代さえもかかりません。これまで事故を経験したことはありません。駐輪するときにはハンドルロックをしていたため、盗まれたこともありません。」(同)
コスパの高い移動手段を選択
バイクは、日々の通勤や買い物でも予定通り効率よく移動ができる。それでいて、大きな荷物の運搬も可能で、20~30キロ程度ならなんなく運ぶことができる。
「約10か月間、京都で仕事をする機会に恵まれたときは、週末に関西地方を旅行するために、横須賀から舞鶴までの約600キロを100CCバイクで移動し、毎週末、近畿方面の旅行の移動手段として活躍してもらったこともあります。事故を起こさなければ、保険料は毎年下がるうえに長期契約にすることで、格安にすることもできます。」(生方さん)
「ガソリンはメンバーカードを作る、乗り方や空気圧に気をつけることにより燃費を伸ばすことができます。大切にすれば高く下取りしてもらうことができ、1キロ12円以下にコストダウンすることも可能です。1500 CCの車であれば、車体価格が5~8倍、1キロ当たり50円以上のコストがかかっていることを意識しておく必要があります。」(同)
生方さんは、早い段階から資産形成をおこなっていた。勤務中以外のプライベートな時間を効率的につかい資産を形成したが、それが功を奏することとなる。ユニークな節約論、マニアックすぎるポイント活用術、あらゆる面から資産を、蓄え、増やし、守るための方法が詰まった一冊。この機会にいかがだろうか。
尾藤克之
コラムニスト