やっぱりアクティブ運用で消耗するのは早く止めた方が良い

本日の日本経済新聞朝刊記事によれば、日本国内のAI(人工知能)投信のパフォーマンスがインデックスに比べて大きく劣後しているそうです(図表も同紙から)。

専門家の分析によると「AI運用とは過去のデータを自ら学習し、人間には発見できない過去の相場つきの特徴や傾向に沿って銘柄を選別する。それが苦戦しているということは、日本株の動き方が過去の経験則通りに動いていないということを示唆している。」ということだそうです。

つまりAIとは、過去のパターンの分析を人間よりも精緻に行い、そこから人間が気が付かない法則を見出すことができれば、高いパフォーマンスを実現できるということになります。

しかし、いつが過去の延長線上の相場で、いつからは特殊な相場に変わっていったかは、事後的にしかわかりません。AI投信がインデックスを下回ってから初めて、過去の相場とは異なることがわかっても、遅いのです。

AI投信に限らず、市場での運用はこのように予想できないものを対象にパフォーマンスを競うものです。AIが分析しても、人間(ファンドマネージャー)が分析しても、それは変わりません。

アクティブ運用ですから、インデックスに勝つファンドもあれば負けるファンドもあります。しかし、確率としては負ける可能性の方が高いというのが、過去の実績からの「不都合な真実」です。

AI投信の苦戦は、AI運用の限界よりも、アクティブファンドの選択の難しさを改めて浮き彫りにする事実だと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年8月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。