自民党は、ブレーキが壊れているように見えるのだが…
どなたかブレーキ役を買って出てくれませんかね、と願っている。
どう考えても、現在国会に係属中の入国管理法改正法案は、暴走以外の何物でもない。
やはり自民党の総務会のメンバーを大幅に入れ替えて、石破派の方々を排除してしまったのがいけなかったようだ。
加藤紘一さんや山崎拓さんが現役で活躍されていた時代が懐かしい。
自民党にはいざと言うときにブレーキ役を買って出てくれる発言力のあるいわゆる重鎮があちこちにいたものだが、今の自民党には、安倍総理なり官邸に対して面と向かって忠言できる人がいないらしい。
煩そうな人は役員から外して、側近やお友だちないしシンパでもって周りを固めているから、どうも正論が安倍総理には届き難くなっているようだ。
異論があっても、ぽそりと小さな声で囁く程度だから、耳が悪い人たちは無視してしまう。
ある程度は公明党がブレーキ役を担っていたのだが、最近の公明党のブレーキはかなり鈍磨している。
制度設計の全容が明らかになっていないのに、よくこんな穴だらけの法案を国会に上程させたものだ、と呆れている。
この臨時国会でこの法案を通過させるような事態にならないように、心から願っている。
延長ぐらいでは、足りない。
野党の皆さん、大丈夫ですかね。
ノーと言える政調会長になれるのかしら、岸田さん
いつもイエスとしか言わないと、大方の人から恨まれるようなことはないだろうが、次の総理・総裁を目指されるのなら、時には、ノーと強い口調で言えるようにならないととても強い指導者にはなれない。
悪い人ではないことはその風貌や物腰から一見して明らかなのだが、どうも芯が弱そうなのが気にかかる。
折角自民党の政調会長という重要なポジションに座っておられるのに、大過なくこのポジションを務めようとされているように映る。
政策に強い信念の人、といったイメージを作る必要がありそうである。
入国管理法改正法案が詰めの甘い、スカスカの法案であることを知りながら、政府はもっと丁寧に説明を尽くすように、という程度の注文を付けるだけで政調会を通過させてしまった。
この程度の説明ではダメだ、やり直し、とでも大声を出していれば、少しは貫禄が付いただろうが、今の状況では完全に役所に舐められている。
ノーと言える日本ではないが、ノーと言える政調会長程度にはなっていただきたい。
今のままだと、河野太郎氏の後塵を拝することになりそうである。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年11月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。