老後の安心は「資産1億円」より「毎月30万円の仕組み」で実現する

毎月21日はマネー専門誌の発売日です。今日の新聞広告(写真)を見ると、老舗マネー誌の特集は「1億円で安心老後」です。リタイアするまでに、1億円の資産を積み上げようという提案です。

しかし、果たして1億円の資産があれば、老後は安心なのでしょうか?答えはNo!だと思います。

間違えてはいけないのは「いくら貯める」というストックで将来の資産目標を立てても将来の不安は解消しないことです。この「資産運用のワナ」に私も数年前までははまっていました。

ストックで資産を積み上げても将来のお金の不安が解消しないのは、もし1億円の資産を持っていたとしても、それを毎月使っていけば資産は減ってしまうからです。毎月30万円使えば、年間360万円ですから、1年後には9640万円になり、10年経てば6400万円にまで減ってしまうのです。

このペースだと、30年後には資産は底を尽きます。お金が減っていく恐怖がある限り、例え1億円という大金があったとしても、そのお金は使えないものです。このように、ストックベースの発想では、将来のお金の不安は解消できません。

やるべきことはストックの目標に邁進することではなく、フローで定期的に「お金が入ってくる仕組み」を作ることです。毎月30万円入ってくる仕組みがあれば、それを使うことができます。また来月になれば、30万円入ってくるからです。

だから「リタイアするときに1億円」ストックを作ることを目標にするのではなく「リタイアしてから毎月30万円」をどうやって実現するかを考える方が賢明なのです。

金融資産だけをコツコツ積立して、ストックで老後に備えようとしているのは、達成したい目標と、それを実現するためのプロセスが完全にずれた状態です。リタイアしてもきっとお金の不安から解消されず、人生の終わりまで怖くてお金が使えない「残念な資産運用」になってしまいます。

私自身も、そんな資産運用のワナから解放されるのに、50年かかりました。このブログを読んでいる人には、私と同じ失敗を繰り返さないように、一日も早く発想の転換をして、老後の不安を解消する正しい方法を始めて欲しいと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年11月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

 

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。