世界は「フラット化」するのに、なぜ日本では経済格差が広がるのか?

新興国に旅行に行くと、日本との富の格差が急激に縮小していることを感じます。特に、経済発展が続く新興国の首都の中心部に行くと、今や日本の地方都市よりも豊かではないかと思ってしまうほどです。

その背景にあるのは「フラット化」と呼ばれる現象です。インターネットによって、世界が均一化していく流れの中で、先進国・新興国という区分けが曖昧になっていくのです。

その一方で、日本国内では経済的な格差が一段と大きくなっている気がします。

銀座や六本木の繁華街にいくと、シャンパンを大きなグラスに1本入れて飲んでるような景気の良い人たちがいる。そうかと思えば、経済的に追い込まれ、日々節約に勤しみ、これからの未来に不安を抱えている人もいます。

経済的に豊かな人とそうではない人の違いは、どこから生まれるのでしょうか?

「リスクを取っているかどうか」だと私は思います。

今の日本は、リスクに対するリターンが非常に大きくなっています。つまりリスクを取った方が有利なのです。

例えば、私が大学生の頃、起業と言えば、全人生を賭けてやる大勝負でした。生命保険に入り、失敗したら自分の命で返済する。それぐらいの覚悟が必要でした。ハードルが高い割に成功の確率は低く、リスクを取ることが割に合わなかったのです。

しかし、今では資本が無くても、学生でもアイディアさえあればカジュアルに起業でき、成功すれば莫大な利益。失敗しても、失うものはほとんどありません。

「リスクを取ったもん勝ち」なのです。

多くの日本人は、未だに大企業に入って安定した仕事を続けるのが、経済的に最もメリットが大きいと思っています。しかし、これは昭和な価値観です。

私も社会人になってから、従業員数千人の大手信託銀行、社員4人のネットベンチャー、そして一人で起業とリスクを取りまくってきましたが、それに伴い大きなリターンを得られるようになりました。

大手企業で懸命に働いても、これからは豊かな老後は実現できません。なぜなら、大企業であっても環境変化による経営悪化のリスクが高まっています。安泰とは必ずしも言えないからです。

また、平均寿命の伸びによって、ライフスタイルが大きく変わりました。リタイア後の期間が長くなり、より大きな経済的基盤が必要になっています。これは、定年まで会社に勤めているだけでは得られません。

このような世の中の構造的変化に気がつき、いち早く対応していくことが、これからますます重要になっていくのです。

国内の経済格差はこれからさらに拡大すると予想します。手遅れにならないうちに、リスクをとって行動することが、後から後悔しないために必要なことです。

■ 毎週金曜日夕方に配信している無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」。メールアドレスとお名前を登録するだけで、お金の不安を解消するための具体的な方法をご紹介します。

■ 「初めての人のための99%成功する不動産投資」、シリーズ累計19万部となった「初めての人のための資産運用ガイド」など、今までに出版された書籍の一覧はこちらから。

※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年1月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。