なぜ「お金の専門家」なのに金融資産だけの資産形成を提案するのか?

金融機関で25年以上の仕事をしてきて気がついた事は、金融資産だけで資産形成しても老後の不安は解消しないと言うことです。

なぜなら、まとまった運用してまとまった資産が手に入ったとしても、それを使ってしまえば、また資産が減ってしまうからです。

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もし、定年退職したときに5000万円の資産が形成できたとしても、その後それを100万円使えば、残りは4900万円。使えば、使うだけ資産が減っていくのでは、安心することはできません。いつか資産が無くなってしまう恐怖から解放されることは無いのです。

だから、資産の取り崩しを前提とした老後の資産設計には無理があると思います。

老後のお金の不安を解消するには、井戸から泉が湧き出してくるような定期的な収入が必要です。もし使ってしまっても、また来月同じ収入が手に入れば、安心して使うことができるからです。

現状の日本では超低金利が続いており、金融資産だけでそんな「湧き出る泉」を作る事は困難です。

最適なのは、金融資産ではなく、国内不動産です。その中でも、空室率が低く、家賃が安定している都心・中古・ワンルームが最も安定したキャッシュフローをもたらすと考えます。

多くの「お金の専門家」が、不動産投資を提唱しないのはなぜでしょうか?次のような理由があるのではないかと思います。

1. 不動産投資した経験がない
不動産に先入観や偏見を持っている。あるいはそもそも「お金を借りる力」がないから、不動産に投資した経験がない。やったことが無く、わからないから否定すると言うパターンです。

2. 不動産投資で失敗した
新築物件や、地方の粗悪な物件を買って、不動産投資に失敗して懲りている。だから不動産投資にネガティブな感情を持っている可能性もあります。しかし、これも投資対象とやり方が間違っていただけです。

3. 不動産投資の成功法を人に教えたくない
自分自身が不動産投資で成功しているが、おいしい話を人に教えたくない。だとしたら、何とも了見が狭い考え方です。

私は、金融資産に関してもインデックス運用を中心とした手法を実践し、不動産やそれ以外の実物資産についても出来る限り幅広い投資対象を「人体実験」して情報配信しています。

お金の専門家を名乗るのであれば、金融資産だけではなく、実物資産についても経験を積み、バランスの取れた情報配信をすることが必要だと思います。不動産投資に関しても、自らリスクを取って実践するお金の専門家が、日本にももっと増えて欲しいと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年3月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。