会社のレベルと、そこで働く人のレベルは比例するのか

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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先日より、このブログ記事を読んでいます。

大企業の男に相手にされない(女にも)

この女性は高卒後、地方の会社に勤めた後、上京して東京の大企業の派遣社員をしました。「地方の小さな会社(と推察します)と東京の大企業で感じた“差”」を記事にされています。コメント欄には辛辣な言葉もありますが、私はよく理解できるつもりです。

地方と東京で感じた「差」とは?

ブログ筆者が地方から東京へ行き、働き始めて感じた差は次のようなものだと言います。

・人がマジで優しい
・他人にそこまで興味がない
・文句は言う
・みんな悪口言わない
・不意に思い知らされる格差
・絶対に超えられない壁

東京の大企業だからといって、すべてが掛け値なしに良いと言っているわけではなく、自身の性格と合わないと感じる部分もあり、葛藤する心情が伝わってきます。しかし、その「合わない」という部分についても、原因は働いている人とこの方との育ちの違いから来るものであって、決して企業側に落ち度があるというわけでもないと言います。

地方の中小零細企業で働いていた時は、同僚は厳しく相手に干渉しがちで、飲み会はいない人の悪口大会。噂は筒抜け状態で多くは高卒という状況から、東京の企業へ行ったことで大きな違いを感じたということです。

ブログ筆者の言うことがよく分かる

私が率直に記事を読んで感じたのは「この方は非常に繊細で知性の高い方だ」ということです。こうした差異を敏感に反応し、その差を冷静に俯瞰する力を感じます。これは繊細さと、自らを客観的に分析して分かりやすいブログ記事のテキストに落とし込む知性が必要です。同じような環境にいっても、単なる居心地の悪さだけを覚えて悶々と過ごすわけではなく、見える化する作業をされています。そしてこの記事に魅了されてしまったのは、共感できる部分があるからです。

私も上京して大企業と呼ばれる会社で働いていましたが、その前は比較的小さな規模の会社で働いた経験もあります。地方ではなく、大阪でしたが働いていた時は周囲の人たちに嫌悪感がありました。仕事で失敗をすると机を蹴って罵声を浴びせる人がいたり、飲み会では下品に高笑いしながら上司や社長の悪口のオンパレードでした。「自分はこんな人たちと同レベルの人間なのだ」ということを認めるのがいやで、葛藤しつつもバイト代を稼ぐために我慢して働いていました。

しかし、東京の大企業へ行くとそのような人は皆無でした。そんな言動を社内ですると周囲からの目に耐えられませんし、パワハラで即刻人事部へ連れて行かれてしまいます。そもそも、そのような怒り方をする人や気質の人がいない空間が、東京の大企業です。もちろん、例外はありますし、あくまで傾向です。でも会社の規模はそこで働く従業員のレベルに比例、というのはどこの世界でも言える話ですから、多くの人が地方の小さい会社ではなく、より規模の大きい会社で働きたいと思うのは頷ける話なのです。

人生は一度しかありませんし、人は一日の大半を仕事をして過ごします。その仕事の満足度や会社での居心地を決める大きな要素は、仕事の内容そのもの以上に一緒に働く人間関係です。つまり、人生の質は会社で働く周囲の人間関係によって大きく左右されてしまうのです。そのことを今一度思い出されてくれた良い記事でした。私は今は従業員という立場ではありませんが、自分の会社は居心地が悪くならないように気をつけたいと強く感じます。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表
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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。