「怒りは貧しい人の娯楽」に、妙に納得感がある理由

黒坂 岳央

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

世の中には、カリカリと常に怒っている不機嫌な人が多いように思えます。Twitterのつぶやきを見ると、有益なこと、楽しいことをつぶやくより、「こんな嫌なことがあった!」と大きな声で不満をいい、それに同調する人達によって「いいね」「リツイート」がなされている構図です。

その一方で、同じ不満を言うのでも、具体的な改善プランと本人による実践がなされている場合は、愚痴や怒りではなく問題提起です。

そんなネットの怒りを見ている内に、タイトルにある「怒りは貧しい人の娯楽」という言葉が流れてきました。なかなか、しっくりくると感じる言葉なので取り上げたいと思います。

お金持ち、成功者は怒らない

私はビジネス上、多くのお金持ちと交流をしてきました。彼らが成功した思考、行動のエッセンスを本に込めて、商業出版をしています(詳しくはこちらのページをご覧ください)。彼らと付き合ってきて思うことは、「怒らない」ということです。

そもそも、「怒り」という感情は多くの場合、相手を動かすために使うことがほとんどです。母親が言うことを聞かない子供に「コラッ!」と怒った顔をしてみせるのも、内心は怒りなんてありません。ただただ、子供に言うことを聞かせるために、そのような顔をしているだけなのです。その証拠に子供に怒っている時に電話がかかってきたら、その母親は笑顔の感じられる声で電話に応答することでしょう。

お金持ち、成功者は「怒り」で相手を動かすことはしません。確かに怒りは効果があります。しかし、恒久的な効果はなく、怒りを向けられた相手は思惑通り動かされたことに不満を貯めることで、その後の関係が解消されてしまうリスクすらあります。ビジネスや投資の成功は「継続」が前提ですから、そこに介在する人間関係に「怒り」を持ち込むことに経済的メリットはないのです。笑顔と感謝で包まれるような関係を構築する方が、長期的な利益を生み出すことになります。

怒っても人が離れていくだけですし、冷静な判断を奪い取るのでいいことは一つもありません。怒らない、というのは合理的な思考と行動によるものなのです。

「怒る」ことのもう一つの目的

ビジネスではなく、私的な関係で怒ることには相手を動かすという以外の目的があります。それは、「気分をスッキリさせたい」というものです。ネット上で怒りを表現すると、それに呼応するように同じ怒りを持った人間が集まります。「上司に嫌な思いをさせられた」といえば、「そうだね。上司なんていなくなればいいのに!」と共感が集まるのです。

そうすることで、自分を理解してもらえたことで気分がスッキリすることでしょう。問題はこのような行動を経て、気分をスッキリさせても限りがないという点にあります。嫌なことはいくらでもありますから、その都度ネットでうっぷんを晴らしをすることに夢中になってしまうとキリがないのです。

そんなことをしても生産的なことは一切ありません。経済的メリットもゼロです。同じ不満を持った人を集めるより、自分にない知識やスキル、経験を持った人と付き合った方が得るものは多いのですが、ストレスを発散することに時間と労力を使い続けることで、ライバルと差が付き、ますます相対的に貧しくなってしまいます。

「怒ってばかりいる人は”怒り”をネタに楽しんでいる人だ」、というのはあながち間違いではないでしょう。見ていると、怒っている人は常に怒っていますし、理由はなんでもよく、とりあえず「怒り」を表現するネタ探しばかりしている気がします。いつまでもそのようなことをするのはやめ、前に進むことでのみ今の貧しさから脱却することが出来るのです。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。