人気俳優の佐藤浩市さんが、首相役で出演した映画「空母いぶき」の24日公開を前に、原作を連載してきた漫画誌「ビッグコミック」(小学館)のインタビューで、安倍首相を揶揄したとも取れる発言をしたことが、安倍首相を支持するネット民などから激しい非難を浴びる大炎上となっている。
大ベテランの佐藤さんでも首相役は初めて。インタビューの中で
最初は絶対にやりたくないと思いました(笑)。いわゆる体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕らの世代の役者には残っているんですね。
などとオファーのあった時の心境を明かした上で、役づくりについて
彼はストレスに弱くて、すぐにおなかを下してしまう設定にしてもらった。
とのエピソードを明らかにした。記事全体としては、「クジ運の悪さみたいなものを感じながらもこの国の形を考える総理」「日本はいつも『戦後』でなければいけない」などと、平和国家の大切さや危機に苦悩する首相像を佐藤さんなりの率直な意見で述べており、安倍首相の名指しこそはしていない。
しかし、ネット上では、安倍氏が2007年に就任から1年で第1次政権の退陣を余儀なくされた理由の一つに、持病の潰瘍性大腸炎が悪化した経緯があったことから、
思想はどうでも良い。どこの党を支持しようが。但し病気を揶揄するのは人間としてあり得ない。今のハリウッドなら追放案件じゃね?
私は安倍総理と同じ難病です。発病したのは中学2年、それから寛解再燃を繰り返しています。1日30回以上の下痢・下血。薬の副作用や合併症の不安。お腹痛いだけ、と言われるような病気ではありません。いくら総理が気に入らないからといって病気を揶揄するのは許せない
といった非難の声がたちまち巻き起こった。当該の漫画誌が発売されたのは10日。その内容が次第にネット上にも伝わり、12日までに保守系の著名人も含めて反響が拡大。スポニチのネットニュースでも取り上げられて火に油を注いでいる。
佐藤浩市が“首相を揶揄” ネット上で批判 漫画誌インタビュー記事
百田尚樹氏は「三流役者が、えらそうに!!」とこき下ろし、「#三流役者」がツイッターでトレンド入りするほどの大反響。
幻冬舎社長の見城徹氏は「三流役者だとは思わないが」と断った上で、佐藤さんの真意について「安倍首相を演じるのに抵抗感があった」と推測。脚本の変更を要求するのであれば出演を断るべきだとした上で、「自分の安っぽいイデオロギーのためにこの映画の本質をぶち壊している」と指摘した。
一方、元朝日新聞記者の佐藤章氏は、見城氏と同じく『「出たくない」と思ったのなら出ない方がいい」と指摘したが、「権力者は権力をもっているが故に当然批判されるべき。百田ごとき四流には言い返してやった方がいい」と百田氏らを逆に批判している。
今後、製作サイドや佐藤さんがこの件で発言があるのか注目される。