新規顧客ではなく、常連客をえこひいきするべき3つの理由

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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私は新規顧客より、既存顧客をえこひいきします。様々なビジネスを提供していますが、まったくはじめてのお客様より、リピーターの方にはこっそりとプラスアルファのものを無料でプレゼントしたり、ということをします(たとえばメルマガ会員限定にコンテンツ配信をするなど)。

そんな事を言うと、「商売人としてあるまじき行為だ。平等に接するべきでは?」という意見が来そうですが、私はそうは思いません。注力するべきは、何より既存顧客であるべきと考えます。

※画像は飲食業における常連客のイメージです(写真AC:編集部)

そのような考えを持っているので、私は先日次のようなツイートをしました。

※もちろん、私は新規顧客も出来る限り大事にしますし、差をつけ辛いビジネスモデルも存在するのは事実です(フルーツギフトショップ・肥後庵など)。

理由1.  ビジネスが安定する

常連客を大事にするべき合理的な理由、それはズバリビジネスが安定化するからです。

一般的に新規顧客を獲得するにはコストがかかります。私は広告宣伝はかけず、ネットマーケティングのスキルを活用して売上を上げているのですが基本的に新規顧客を獲得するには広告宣伝費を必要とします。クリック課金型広告についていえば、100回クリックして、その内何人かが買ってくれて収益をあげるようになっています。それには広告宣伝費、広告をハンドリングする人件費がかかります。

しかし、メルマガやSNSで既存顧客とのコミュニケーションのツールを持っていれば、新商品を紹介するだけで売れていきます。もちろん、最初に提供した商品・サービスで「価値>価格」を感じてくれた場合に限りますが、顧客にお値段以上の価値を提供していれば、新商品を見せるだけでどんどん売れていきます。そしてその販売コストは新規顧客を獲得するのに比べて、圧倒的に小さくて済むのです。

新規顧客に限りあるものをあれこれと渡しても、一見さんで終わってしまう可能性があります。それなら、何度もリピート購入してくれている常連さんにプレゼントして喜んでもらった方が、お客様も喜ぶしビジネスが安定化するというメリットもあるのです。

理由2.  常連客に感謝の気持ちがあるから

ビジネスが育っていく過程では、商品やサービスに行き届かない点があるのは当然です。時間の経過とともに商品やサービスが洗練されていき、充実化していくものです。そう考えると、初期の頃に商品、サービスを購入する顧客はビジネスが整っていないという、リスクを負うことになります。普通、リスクが含まれるものを買いたくないと思うものです。ビジネスを提供する側にとっては、そのリスクを負ってまで自分を信じて買ってくれるお客様は、まさに神様のようなありがたい存在です。

そんなありがたい存在に対して、「自分を信じてくれてありがとう」という気持ちを込めてプラスアルファの何かを提供したくなるのは、人間心理です。販売者側も心を持った人間ですから、お返しをしたくなります。その結果、既存販売には新規顧客にはないプラスアルファのプレゼントをしたくなります。

理由3.  顧客と一緒に成長できる

ビジネスに完璧はありません。私も自分のビジネスを日々、お客様からのお声や自らの気付きでどんどんアップデートするようにしています。長く付き合ってくれるお客様は、こちらのことをよく理解してくれています。それ故に「前はこうだったのに、今はもっとよくなった」とか、その逆に「以前やっていたこのサービスが便利だった。もうやらないのか?」といった意見をくれることがあります。こうした意見は一見さんの新規顧客からは決して得られない気づきがありますから、まるでお金を払って教えてくれるコンサルタントのようなありがたい存在に感じられるわけです。

つまり、既存顧客を大事に大事にする過程で、彼らに期待値以上の価値を提供し続けることで顧客と一緒に成長していくことが出来るわけです。最近、取り組んでいる英語教育ビジネスや、ビジネスジャーナリストの仕事においては、特に様々な意見を頂けるので都度アップデートし続けてよりよいものを作ることにつながっています。

私はこれからも常連客ファースト主義で、取り組んでいきたいと思います。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。