トランプ大統領の来日2日目となった26日は、日本のネット空間も大いに盛り上がった。ツイッターで「トランプ大統領」が20万を超えるダントツの数字でトレンド入り。現役の米国大統領として初となる大相撲観戦をはじめ「見せ場」が多く、同時に、トランプ氏や安倍首相のアンチからのdisり投稿も増えたことで活況になった。
この日は早朝から、テレビ各局が報道番組やネット中継サービスを通じて随時トランプ大統領の動向をリポート。トランプ氏は午前8時台に東京・六本木の米軍ヘリポートから飛び立ち、千葉県茂原市内のゴルフ場へ。安倍首相は出迎えた早々にツイッターでツーショットをアップし「新しい令和の時代も日米同盟をさらに揺るぎないものとしていきたいと考えています」と抱負を述べた。コースでは、プロゴルファーの青木功さんも交えて16ホールをラウンドした(時事通信)。
ゴルフ外交による和やかなムードで進むかと思われたが、そこは「トランプ流」だった。今回の来日の主要テーマの一つである通商交渉について、ゴルフを終えた直後、明日の正式な会談を前にツイッターで進展があったことを示唆した。
毎日新聞はトランプ氏のツイートを警戒していたのか日曜にも関わらず、いち早く速報。
トランプ大統領「貿易交渉で大きな進展」 ゴルフ・昼食時に首相と協議か(毎日新聞)
「ゴルフのプレー中や昼食時に安倍首相と日米貿易問題について協議した可能性がある」と指摘し、波乱含みとなったことを印象付けた。民主党政権で内閣官房副長官を務めた松井孝治氏(現慶応義塾大学教授)はツイッターで「こういうことを公言されてしまうことは、安倍首相にとって「想定内」だったのでしょうか?」と、指摘した。
また、ジャーナリストの江川紹子氏は「ゴルフ場での『交渉』。どのようなやり取りがあったのか、公文書にされなければ、後に検証することもかなわない」と皮肉交じりにツイートした。
今回のトランプ氏来日に関して、江川氏のdisりツイートはこれにとどまらなかった。この日、ヤフーのリアルタイム検索ではトランプ氏が都内に戻って大相撲観戦に国技館入りした午後5時前から、「トランプ大統領」の検索数が急上昇した。
現役の米大統領の大相撲観戦という歴史的なシーンがNHKテレビで生中継されたことで反響が倍加したとみられるが、江川氏は前日の時点で「明日の国技館、せめて心ある相撲ファンの方による、短くていいから、力強い「Boo❗️」の一声が出るように祈りたい。」とブーイングを煽る投稿をしていた。
この江川氏の投稿は物議を醸し、
一国の元首への侮辱は開戦の理由になった事もあるぐらいご法度ですよ。戦争したいなら別ですが、取り消した方が良いと思いますね。
力士にも相撲ファンにも失礼です。というか、心ある相撲ファンがみな反権力で、安倍総理やトランプ氏が嫌いだとでもお考えで?どういった基準なのでしょうか。
トランプ大統領も安倍首相もそんなに好きではないですが、ブーイングはどうかと思います。警備が大変だったりで不快に思う人もいるでしょうが、大阪なおみさんのブーイングを思い出せば、スポーツ会場での変なアピールは逆効果だと思いますよ。
などと、批判的な書き込みが殺到した。
肝心の「本編」では、トランプ大統領が表彰状を読み上げる際、「レイワワン」(令和元年)と新元号を読み上げたことに国技館内もネットも大盛り上がり。
トランプ「レイワワン」って言ってくれた
「レイワワン」が何気に新鮮だった。
「令和ファースト」ではないんだ。
といった反応が相次いだ。
また、政界で「土俵」といえば、この人。大阪府知事時代、「女人禁制」のしきたりから土俵上での優勝力士への知事賞授与を断念した太田房江氏(現参議院議員)は、「私も知事時代、機会があれば土俵で優勝力士を表彰したかったです…。」と羨ましそうだった。
トランプ氏の来日フィーバーでは、日頃から安倍首相を嫌う人たちがここぞとばかりにネガティブな投稿を連発。
小説家の盛田隆二氏は「天皇にもしたことのない特別扱いで媚びへつらう安倍首相の接待は“属国”根性丸出し」と痛烈に非難。
また、大相撲の解説者としても活躍しているエッセイストの能町みね子氏も「千秋楽には君が代ではなくアメリカ国歌を流し、トランプは妻とともに土足で土俵にあがればいい」と投げやり気味だった。
これに対し、高須クリニックの高須克弥院長は、「ヒョーショージョー」の読み上げでおなじみだった、往年のパンナム支社長による名物シーンとダブらせて、トランプ氏の“土俵入り”を好意的にみていたようだ。
ネット世論の分析も行うJX通信社CEOの米重克洋氏は「盛り上がったようで、相撲にも注目が集まる良い機会。批判的な意見もあるが、ちょっと派手目に接待して結果日本にとって良い取引ができるなら大変結構なことでは」と冷静に批評していた。