重要な要件こそ、来社ではなくメールにするべき理由

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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私はビジネスとは効率性を追求し、利益と顧客満足を高める活動と考えています。同じ結果を得るなら、より低コストより効率的であるべきという考え方を持っているので、時々非効率な商慣習が腑に落ちない事があります。

FineGraphics/写真AC(編集部)

思わず、Twitterでもつぶやいてしまいました。

取引先の業者とのコミュニケーションもテキストがベスト

先日、ある商材を仕入れている業者から、深刻な声色で電話がありました。「黒坂さん、一度お会いしてご相談したいことがあるので来社させて頂けないでしょうか?」ととても深刻な様子です。先方の業者があるのは、福岡の博多。私の会社は熊本県にあるので、高速道路で走って2時間弱、高速代は往復で7,000円くらいかかります。そこまでかけて、急遽私に伝えたいこととは一体何か?

ただならぬ状況を感じ取り、「すいません、ご足労頂くのも申し訳ないので先に状況を聞かせてもらえますか?」と尋ねたところ「原価の高騰に伴い、仕入れ価格が現状より高騰してしまうのでそのご説明に」とのことでした。

他に伝える要件がないとのことでしたので、最新の見積もりをメールで依頼して来社は不要であるとお伝えしました。世の中には色んな価値観の方がいるので、十把一絡げに言うことはできません。しかし、仕入れ価格の変更というセンシティブな情報であるなら尚更、いち早くテキストで送信してもらいたいと感じてしまいます。来社を果たすには、お互い都合の良い日時でアポを取る必要があります。それまで、この重要な情報を手に入れることができず、経営的な意思決定速度にも影響してしまいます。

「重要な情報は来社して伝えるのが筋」というのは、今のスピード経営が求められる時代においては効率性に欠けてしまうと感じます。

従業員の休み連絡も電話ではなく、ChatWorkでOK

私の会社では社内コミュニケーションにEメールやLineではなく、ChatWorkというソフトウェアを使っています。

このソフトはPCやスマホからメッセージを送ることができ、大変重宝しています。私はできるだけ情報はこのChatWorkで済ませてもらうよう、従業員に協力をお願いしています。たとえば「今日、子供が熱を出したので休みます」というのも電話ではなく、できればChatWorkの方がありがたいと伝えています。

会社が動き始めて、朝一番に会社の電話で「今日休みます」と伝えられるのは、不意打ちに感じてしまいます。また、朝はかなり忙しいので強制的に電話を取らされるのは、時間的なロスはかなりのものです。

「今日は来られない。自分の担当業務は休んでも影響がない」

この2つの情報を伝えてもらうだけなら、電話よりテキストメッセージの方が情報伝達手段としては効率的ですし、業務時間外に休むことを把握することができます。事前に休むことが分かっていれば、急遽派遣会社から人を要請することもできますので、朝一番に会社が動き出してから不意打ちを食らうよりはるかにダメージは少なくてすみます。

大事な連絡に来社や電話は必要ありません。問題が分かった段階で一言テキストメッセージを送ってもらう方が経営する側にとっては、はるかに助かるという事情もあるのです。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。