素直に席譲りに応じない人が「電車の席譲り合い問題」を面倒くさくする

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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示唆に富んだ意見に出会うのが楽しみで、私は時々はてなを読んでいます。今回、とても共感ができる投稿がありましたのでシェアしたいと思います。

思わず、Twitterでもつぶやいてしまいました。

お話のあらまし

お話のあらましは、「電車で席を譲るのは断られるのが面倒で気が引ける。面倒なあまり、立ちっぱなしである」ということです。

参考元:はてな「席は絶対に譲らない」

acworks/写真AC(編集部)

この投稿に対して、賛否両論のコメントが寄せられているようです。

席を譲る難易度の高さ

私たちは何かと「空気を読む」ことを求められる社会を生きているわけですが、それは電車内で席を譲るという世界でも展開されています。その原因を作り出しているのは、意外にも「素直に譲らせてくれない」ということにあるようです。特に高齢者に「いりません」と断られた時に、ぶしつけな態度や、大きな声を出されたり、ネチネチと文句を言われるなどの反応に狼狽した経験を持っている人も多いようです。

楽天市場は、孫を持つ60歳以上の男女600名を対象に「イマドキシニア」という調査を実施、この調査結果によると60代の3人に2人が「高齢者」という自覚がないという結果が出ています。「どうぞ」と席を譲られた高齢者が年寄り扱いをしたことに腹を立て、その対応に嫌気がさして席を譲ることをやめたという声も見られました。大きな声を出されたり、差し出した善意を全否定したり、狭い車内で肩身の狭い想いをした事にうんざりした人は多いようです。

かといって席を譲るのを止めて座りっぱなしだと、「妊婦や高齢者に席を譲りなさい」と説教をしてくる人もおり、電車内で席を譲ることの攻防戦はなかなか簡単ではありません。

空気を読まなくて済むのは立ちっぱなし

席を譲っても断られたり、叱られる。かといって座りっぱなしも非難の的になる。そこで導き出された答えが「立ちっぱなし」というものです。

確かに立ちっぱなしであれば、周囲の状況に気を配り、空気を読む必要はなくなります。これはものすごくよく理解できます。私も過去に席を譲ろうとしたら、猛烈に拒否されて恥ずかしい思いをしたことがあります。

また、疲れ切って座席で眠っていたら杖で突かれ、「席を譲れ」と起こされた経験があります。それ以降は疲れていない時には、電車の一番奥のじゃまにならないスペースに「立ちっぱなし」でいるようにしています。これは体力は使いますが、精神的疲労は一切ありません。

今回の記事の投稿者と同じように、一番ラクなのは立ちっぱなしでしょう。

改善する余地は譲られる側にある

譲る、譲られる問題は立ちっぱなししかないのでしょうか?

私はこの問題の改善する余地は「譲られる側」にあると考えます。なぜなら、譲る側にはこの問題の解決につながるアクションは何もないからです。対して、譲られる側には対応改善の余地は大いにあります。まず、相手が差し出しているのは「100%の善意」によるものと理解し、「年寄り扱いをした!」と激昂しないことです。また、「いりません!いりません!」とやたらに騒がれてしまうと、受け取られなかった善意を車内の人の注目を集めてしまい、言われた方は非常に肩身の狭い想いをすることは明白です。

一番良いのはそのまま譲られてしまうことでしょう。しかし、お年寄りは一度座るとまた立ち上がる事に負担を覚える人もいることへの理解は必要です。お断りする場合はなるべく周囲の注目を集めないよう、小さな声でお断りし、「ありがとう。でも次で降りるから大丈夫」という「イエスバット法」を用いてお断りをするのはどうでしょうか?そうすることで譲る提案をした人も、一度は相手に善意を受け止めてもらった事に満足でき、精神的な苦痛を覚えることはないでしょう。

今回の件について言えば、譲られる側の双方にマナー意識の向上が期待されます。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。