セブン&アイ・ホールディングス(HD)は4日、傘下のコンビニチェーン店などで使えるキャッシュレスサービス「7Pay(セブンペイ)」の不正利用が続いたことから全てのチャージを一時停止した。同日の記者発表では、およそ900人による総額で5,500万円の不正利用があったことも明らかにした。
(プレスリリース)「7pay(セブンペイ)」一部アカウントへの不正アクセス発生による チャージ機能の一時停止について
事態の深刻化に警察当局もすばやく動き、警視庁は同日、中国籍の男2人を詐欺未遂容疑で逮捕。
詐欺未遂容疑で中国籍2人逮捕=「セブンペイ」不正アクセス-警視庁(時事通信)
しかし、国際的な犯罪ネットワークによる関与も指摘されており、セブン&アイHDの初動のまずさが利用者らの怒りを増幅させている。
ネット上では、Yahoo!ニュースへのコメント(ヤフコメ)への書き込みが同日深夜の時点で数千件にのぼり、ツイッターで配信された報道機関の投稿にもレスが殺到。中でも記者会見の概要を伝えた産経新聞のツイッターには、リツイート数が、一夜明けた5日朝の時点で7000を超える反響となった。
産経新聞のツイッターへの反応の中には、被害者による生々しいコメントもある。
1万円弱ですが被害にあいました…
4日の朝のことだったので、3日の時点でサービス停止していれば不正利用されなかったはずですね
きっちり返してもらいます
他にも、セブン&アイHDの対応に疑問や批判的な書き込みが止まらない状態だ。
現金、nanaco、交通系ICカードで間に合ってる。やらなくてよかった。
わざと不正利用しやすいようにガバガバのセキュリティーにしてたもよう。 犯罪集団と手を組んでたと思われても仕方ないレベル。
この問題の怖いところって、あんまりにも7pay運営が無能で、本当はどのくらい不正利用があったか調べてなさそうなところだと思う。これって、気づいて電話とかしなかったら、不正利用されててもお金帰ってこないのでは?
また、千葉大学教授の藤川大祐氏もツイッターで被害に遭ったことを明らかにし、同社の対応に不信感を示し、リツイート数1万を超えている。
ネット上の怒りに拍車をかけたのが、記者会見で飛び出した「二段階認証」を巡るやりとりだった。二段階認証とは、IDとパスワードによるログインに加えて、さらにメールやSMSによるセキュリティコード認証も行う仕組みのことだが、セブンペイと同名の運営会社の小林強社長が記者会見の際、この仕組みのことを理解していないとみられる反応を示し、IT技術に詳しい人たちから総スカンを食らってしまったのだ。
7pay の現社長、セブン銀行にいた時期もあると聞いて、ますますヤバいんじゃねぇのアレ、という顔にならざるを得ない。
ネット銀行にいて、「二段階認証……?」とか、それはいくらなんでも許してください。
「二段階認証」はツイッターでもトレンド入り。IT mediaの解説記事はグーグル検索でも上位表示されるなど高い関心を集めている。
「7pay」不正ログイン被害で話題「二段階認証」とは? – ITmedia NEWS
セブン&アイHDを巡っては、今年前半、コンビニチェーン店オーナーとの対立で表面化した24時間営業見直し問題で、後手に回ったばかり。ツイッターでは、
セブン・アイHDは、今回のセブンペイの不正利用や24時間営業の問題など失点が続いてますね。
セブンアンドアイは24時間営業の件も含めて時代から取り残されつつあるということが判ってしまって本当に残念。セブンプレミアムの品質はピカイチなだけに。
24時間営業の対応といい、今回の対応といい、、、お客さん離れていくよ~
問題の発生は仕方の無い部分もあるかもしれんけど、火の消し方がお粗末やな。。。
などと同社の危機対処について残念がる書き込みが相次いだ。
ヤフージャパン系列のPayPayに続いて発覚した不正利用。政府は秋の消費増税に合わせた経済対策としてキャッシュレスサービスへのポイント還元策に乗り出し、先進国の中でも低迷しているキャッシュレスの普及をめざしているが、流通大手のサービスにも疑問が生じたことで「脱現金」の流れに水を差さないか、危惧される。