平成の日本人は中国人に負けたと認めよう

八幡 和郎

平成が始まった頃に、ジャパン・アズ・ナンバーワンと世界が褒めた日本だったが、いまや凋落の一途。国を国を没落させた日本と世界史上で驚異の発展をさせた中国と比べれば平成日本の国家と国民は大馬鹿で鄧小平・江沢民・胡錦濤時代のの中国の国家と国民は素晴らしいということに異議などいえないはずだが、日本人には左も右もその自覚がないのが問題だ。

大阪でのG20(20カ国・地域)首脳会合の集合写真で、安倍晋三首相を真ん中にして、左右にトランプ米国大統領と習近平中国主席が並んだものがあった。世界の三大国のトップが勢ぞろいで、そのGDP(国内総生産)を合計すると世界の46%になる。

ホワイトハウス公式FBより:編集部

平成が始まったころの1990(平成2)年には、中国は世界11位で、日本が2位だった(日本の8分の1ほど)。日本が中国に抜かれたのは2010(同22)年の民主党政権の下で、差はどんどん付き、いまや3倍近い。

平成の総決算として、1990年と2018年の数字を比較してみると、中国のGDPは33.6倍になった。インドは8.3倍、韓国は5.8倍、米国は3.4倍、ドイツが2.5倍、英国が2.4倍、フランスは2.2倍、そして、日本は1.6倍である。欧米に比べても散々な時代だったのである。

平成の日本は、中国やインドはもちろん、欧米にも韓国にも負けたのである。この大失態をへ理屈でごまかすべきではない。

あえていうが、明治時代や戦後の日本人は、世界に冠たる素晴らしい成果を上げた国民だったが、平成の日本人は父祖たちが辛苦して築き上げた蓄積を食い潰しただけであった。

はむぱん/写真ACからの写真(編集部)

「人権」や「自由」という観点では、いまも中国はひどい国だが、趨勢値としては平成の30年間に中国はそういう方面でも、かなり改善したことはまちがいない。習近平の中国は、「中国の特色ある社会主義」をめざし、未来永劫に民主化などしないと言い出したから批判されているだけだ。

一方、日本は世界の民主主義に貢献しているのか?

高度成長期の日本は、民主主義のもとで経済発展が可能であることを立証して世界に良い影響を与えたが、平成の日本は民主主義が衆愚の結果、国を滅ぼすことを体現しているだけだ。「平和主義の念仏」を唱えているだけで、「世界の自由」や「平和」のために貢献などしていない。

令和の日本は心を入れ替えて頑張るべきだ。幸い、安倍首相と習近平国家主席の就任からの短期の変化としては、日本の評判は相対的に改善している。

こうしたなかで、日本が抜群の成果を上げ続けているのが、平均寿命の長さだ。WHO(世界保健機関)が2018年に発表した統計(16年時点)では、日本は1位で84.2歳だった。

主要国では、オーストラリアとフランスが82.9歳、カナダとイタリアが82.8歳、韓国が82.7歳、英国が81.4歳、ドイツが81.0歳、米国が78.5歳、メキシコが76.6歳、中国が76.4歳、 ロシアが71.9歳、インドが68.8歳である。

「老後資金2000万円」問題が話題になっているが、経済が不振で、寿命ばかりどんどん伸びたら、貧乏になるのは当たり前だ。資源配分が偏りすぎている結果である。上げ足取りの議論をするより、真剣に厳粛に考えるべき課題だと思う。

65歳まで働いたとして、そのあと、アメリカ人は13年、日本人は19年生きるのだから3分の2の収入で老後を送るしかないのは長生きに何よりもの価値見出しているのだから、が番するしかないはずだ。

といっても、アメリカ並みにとはいわないが、ヨーロッパ並の平均寿命でいいのでないかと思案してみることは必要だ。世界トップクラスの生活水準を維持したかったら、欧州並みの老後の生活水準はあきらめるしかない。


八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授