東洋経済オンラインやハフポストのようなエリート大手メディアに比べれば、まだまだ小さな数字です。しかし、そんなマイナーな存在にも関わらず、熱烈にご支持いただいている読者の皆さま、そして迫力かつ読み応えのある記事を寄稿いただいている執筆者の皆さまのおかげで、独立系メディアとしては異例の大台に再びたどり着けました。
本当に心より御礼申し上げます。また、少数精鋭のスタッフ全員が粉骨砕身してやり遂げてくれました。
2度目の1000万PVですが、前回は、日本最大のニュースプラットフォームであるYahoo!ニュースへの配信があり、そこからの流入数が大きく寄与していました。しかし、以前明らかにしたように、Yahoo!側は昨年10月をもって契約更新を拒否。その直後、アゴラのアクセス数が大幅に激減し、広告収入の落ち込みがひどく、経営的にも一時は大きな打撃を被りました。実際、過去にもYahoo!ニュースに切られたメディアは、スタッフを大幅削減するなど、苦しい運営を強いられ、Yahoo!ニュースに依存する現在の日本のネットメディアの危うい構造を露見させています。
それでも、鋭い論考を連発する新しい執筆者が次々にアゴラに寄稿いただき、活性化できました。またニュースコンテンツの拡充など新機軸を打ち立てた結果、年明けから徐々にアクセス数、広告収入とも回復傾向に。経営状態はまだ決して楽観できる状態ではないものの、春以後はYahoo!配信時代を上回るPV数に伸びました。
追い上げの大きな要因になったのが、日韓関係や参院選などの政局でした。ことに韓国問題は、世の中の関心が非常に高い割に、テレビや新聞は一部を除き、日本社会の怒りをしっかり伝え、韓国の問題を提起しようという意欲に欠けるところが主流です。
そして今や地上波テレビに準じるだけの影響力をもつYahoo!ニュースも、メディア担当役員が日経新聞の取材に嫌韓ニュースの排除を公言するなど、“リベラルマスコミ化”が著しくなっています。もちろん我々とて右派の韓国ヘイトには与しませんが、しかし、そうしたYahoo!ニュースの姿勢が、韓国の反日政策に対するネットの不満や関心に十分に応えているとは言い難い状況と認識します。
アゴラでは、ここ数日、障害者議員の登院を巡って論争が起きましたが、これもマスコミや大手のネットメディアではタブー視されるテーマです。しかし、ファクトに基づき、執筆陣が喧々諤々、本質を追及してぶつかり合っています。
経営リソースも脆弱。所帯も本当に小さい。しかし、右でも左でもなく前へ。問題解決に一歩を進めるべく、これからも「大人」の議論をして世論形成の装置になるべく運営して参りたいと思います。
2019年8月1日
アゴラ編集長 新田哲史