高知東生さんが依存症回復施設で研修

田中 紀子

先日、高知東生さんと、山梨ダルクで3日間の研修を受けたんですね。
クライアントの皆さんと一緒にミーティングに参加したり、スタッフの皆さんと支援者ミーティングやフェローシップをとったり、甲府市内の清掃ボランティアに参加したり、とにかく盛りだくさんの内容だったんです。

支援者ミーティングでびっくり仰天している高知さん(笑)ベストショット!

クライアントの皆さんとわきわきあいあいと市内清掃

オープンスピーカーズミーティング

私も、高知さんと関わった人もみんな同じことを言うんですけど、
「高知さんて、こんな人と思わなかった~!」って良い意味で裏切られるんですよね。

だってTVドラマやバラエティで見てる高知さんって、色男で女ったらしで、オラオラ系の輩だと思っていませんでした?
(言いたい放題すみません汗)

でも実際は、ひょうきんだし、気さくで正直な方なんですよね。
そして幼少期からめちゃくちゃ苦労もされている・・・生い立ちはまさに「THE 仲間」って感じなんです。
そしてどっちかっていうと、男同士のつきあいの方が全然好きって感じがします。

今回の研修は、山梨ダルクさんにお願いしたんですけど、スタッフのかづき君なんか、行くまでめちゃくちゃ緊張してたとかで「マジ、こんな人だとは思わなかった~!よかった~」と雄たけびをあげていて、思わず爆笑してしまいました。

薬物依存ってどっちかっていうと、昔やんちゃだった人も多いじゃないですか。
特に我々世代はヤンキー全盛だったので、高知さんも私もその空気感に慣れています。
なので扉を開け部屋に入った瞬間「懐かしい~、この空気」って思ったそうなんですね。
で、すぐに溶け込んじゃった!

ご自身のことも、気さくになんでも話してくれるから、スタッフもクライアントの皆さんも、どんどん目が輝いてくるんですよね~。
夜、スタッフの皆さんとお食事に行った時なんか、本当にお腹が痛くなる位笑い転げてしまいました。

今回、私がなによりも嬉しかったのは、高知さんが私が愛する依存症の仲間達を好きになってくれたこと。
だって、私なんか全然手が届かない、雲の上のような世界を生きてきたわけじゃないですか。
よくある否認のパターン「俺は、こいつらと一緒じゃない!」なんて言われたら、さすがに私だって傷ついちゃうじゃないですか。

でも「なるほど~、ホント同じように考え、同じように生きた仲間なんだね~」と言ってくれ、「居心地が良くて、楽!」「今、すごく幸せだな~」とことあるごとに言ってくれて、私も、仲間達もみんな本当に嬉しかったです。

最後のミーティングでは、高知さんが司会をされ全員とHugをしてお別れ。

でも、その後にサプライズがあったんですね。
事務所で3人のスタッフさんと、高知さんと私の5人でいたら、なんとみんなからの色紙のプレゼントが!

そして、ひとことメッセージを送る小さなミーティングが開かれたんです。
最初にスタッフのかづき君がコメントしたんですけど、もうそっから全員が涙涙涙で、出会えた喜びと、分かりあえた嬉しさと、安心感や居場所感、そんなあったかい感情に包まれて、私も、久しぶりにミーティングで泣きに泣きました。

その場にいた、コバ君やショウタ君なんか絶対泣かないタイプなのだそうですけど、もうホント全員大の大人がボロボロ泣いちゃいました。
そして高知さんも・・・

高知さんが、涙しながら色んなことを話してくれて、
「あぁ、高知さんは本当に神様に愛されているなぁ。あの事件で高知さんは使命に気がつけたんだなぁ。」
と思いました。

帰りがけ「あの場で泣けてすっきりした!」と言ってくれて
「なんか、俺の軸ができた感じがする」とおっしゃっていました。
こういう勘の良さが、常々思う高知さんのポテンシャルの素晴らしさなんですよね。

私はつくづく思いましたね。
プログラムの原理と仲間の力は絶対裏切らない。
こうやって新しい仲間が繋がり続けることこそが私たちの原動力なんだな!って。
だからビギナーが繋がり続けてくれるよう、メッセージしていかないといけないんですよね。
ミーティングっていいなぁ~ってまた想いを新たにしました。
心が喜ぶ研修でした。

高知さんに「研修のこと、ありのままにブログに書いていいですか?」
とお尋ねしたところ「どうぞ~!」と気さくな答えでしたので、ありのままのに書きました。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト