日本政府が半導体の原材料などについて韓国向けに輸出管理を強化した問題で、世耕経産相は8日午前、一部の企業から申請があった韓国向けの輸出を一部許可する方針を明らかにした。
世耕氏は記者会見で「厳正な審査を経て安全保障上、懸念がない取り引きであるということが確認できた案件については、すでに輸出許可を付与した」と明らかにした上で、「個別のケースは対外的に公表することは行っていないが、韓国政府からこの措置があたかも禁輸措置であるという不当な批判が行われていることを受けて、例外的に公表した」と意図を説明した(参照:NHKニュース)。
輸出管理の一部除外を巡っては、正式発表に先立ち、読売や日経などがこの日の朝刊で報道していた。
・韓国向け半導体材料、きょうにも初の輸出許可…管理厳格化 : 読売新聞オンライン
・韓国向け輸出、厳格管理下で一部再開 半導体材料3品目:日本経済新聞
これらをソースにネット上では朝からこの問題を巡る書き込みが目立っていたが、管理制度の複雑さもあってか報道や発信を巡り、いささか誤認を指摘する意見もみられた。
そのひとつが、審査手続きの日数。NHKニュースが「審査にかかる期間は標準で90日程度とされていますが」と報じていたことについて、北海道大学の鈴木一人教授(国際関係論)は「相変わらずNHKはおかしなことを書く。90日は「最長」でかかる日数」と指摘。
日経新聞も前述の前打ち記事で「審査手続きに90日程度かかるとしていた」と記述しており、これについても鈴木氏はすかさず「日経も…。みんなちゃんと資料を読もう」と呆れ気味にツイートしていた。
さらに輸出管理制度そのものを独特の解釈をする人も。特に安倍政権に敵対的な論者にその傾向が強く、今回も、経産省の正式発表前の段階で、経済学者の金子勝氏(立教大学大学院特任教授)は、経産省を「バカ産省」と揶揄した上で、「アベ・セコウは一体何をしたのか。経産省は40日の禁輸後、半導体3品目に何の問題もないと確認せざるをえなくなった」などと管理強化を「禁輸」と評価(太字は編集部)。さらに「参院選に「徴用工に責務(セコウ魚拓あり)」と煽り「サリン、ウラン、戦闘機、レーダー」と戦争プロパガンダ。そして覆水盆に返らずとなった」などと経緯を全否定してみせた。
すると、これにネット民が続々と反応し、
え?ちゃんと申請すれば輸出できるって最初から言ってましたよ?ちゃんと調べてから発信しないと恥ずかしいですよ。朝日新聞とかのフェイクニュースを信じちゃダメです。禁輸するなんて新聞しかいってませんでしたよ。
韓国への3品目の輸出は、包括許可制から個別許可制に移行しただけで、記事にあるのは個別許可の第一弾ということです。そもそも先生のおっしゃるような禁輸などしておりませんが。以前から個別の審査を通過すれば輸出は自由に行われるとアナウンスされていましたが。
などと「禁輸」ではないことを、逆に教えられる始末。さらには
金子センセは韓国関連になると異常に反応しますね。何か理由でも?
とツッコまれていた。