なんでもNHKの「おかあさんといっしょ」が60周年を迎えたそうで、この度、歴代のお姉さん、お兄さんの映像を流す特集が組まれたんですね。
で、8月13日にお兄さんの特集があったんですが、そこに9代目うたのおにいさんで、覚せい剤取締法違反で逮捕された、杉田あきひろお兄さんの映像も流れたんですね。
これには我々仲間達も「快挙!」と喜んでおりましたが、あきひろお兄さん自身もTwitterで感謝を述べられておりました。
すると8月16日には落語家の志らく師匠がTwitterで、
NHKおかあさんといっしよ60周年スペシャルで覚醒剤逮捕されたおにいさんと交通死傷事故を起こしたおにいさん、2人の映像が流された。理由は彼らの歌で育った子供たちもいて、お兄さん達も今は更生しようと頑張っているから。彼らの歌で育った子供たちもいる!この判断は素晴らしい。頑張れNHK。
とツイートして下さり、これが1万近くのリツイートと4万いいねがついているんですね。
ホントこういう発信力のある方に、回復への応援メッセージを入れて頂けると本当に有難いですね。
志らく師匠に対する返信コメントも肯定的なものが多く、嬉しい限りです。
少しずつですけど、感度の高い一般の方や芸能人の方に、
「薬物で失敗しても回復できる」
「失敗しても再起できる社会の方が良い」
「弱っている人を叩き過ぎている」
ということに、気がついて貰えるようになったと思います。
やはりピエール瀧さんの行き過ぎた自粛報道と、それでも全くめげることなく貫いて下さった石野卓球さんの変わらぬ愛から、流れが変わってきたように思います。
瀧さんに対するNHKの判断には多々もの申したいことはありますが、今回のNHKの判断には感謝したいと思います。これをきっかけに民放各局も、過去の作品から薬物問題のあった人を消してしまうような、愚かなまねは是非とも止めて頂きたいと思います。
私たち依存症者はまるでこの世に存在してはいけないかのような仕打ち。
一度でも失敗した人間は、消えてなくなれ!とでも言わんばかりの最近の芸能界のあり方。
これを是正し、牽引するのはやはりNHKの役割ではないかと思います。
一部の間違った芸能人のご意見番の意見にひきづられることなく、失敗した人間に対しても、再起を応援する社会づくりに目を向けて欲しいと願っています。
志らくさんにも、今後ますます依存症問題にご理解頂けるよう、是非ともお願いしたいところです。
田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト