今週のつぶやき:さいたま小4殺人事件、私の驚愕

昨日、バンクーバーから東京入りしたのですが、飛行機の中はお揃いのポロシャツを着た体格の良い大人の集団。よく見るとカナダからのラグビーの応援チームです。成田には似たようなお揃いのシャツを着た集団があちらこちらで見受けられ入国審査場はごった返していました。私もラグビーのルールはほとんど知りませんが、初戦で幸先のよいゲームをテレビで拝見しました。来年のオリンピックへの景気づけにもなります。盛り上がってほしいですね。頑張れニッポン!

株価が堅調なのは元気な証拠

株式投資をしない人にも知ってもらいたいことは株価が堅調なときはムードが非常に前向きになる、という傾向です。「当たり前じゃないか、景気がいいから株価が上がる、だからムードもよくなる」と仰りたいでしょう。

しかし、今日の日経電子版のトップは「世界景気『悪化』41% 12年以降最多 社長100人アンケート」とあります。日経と大手企業の社長に共通するのはコンサバティブ。つまり物事を堅めに見る、いや私から言えば悲観主義すぎて、社長の椅子に保身的にしがみついているシーンが瞬時に思い浮かびあがります。これは先日、黒田日銀総裁も指摘していましたが、世界景気はどんよりしています。が、9月に入って日経平均は1400円以上も上がっています。NYも史上最高値を狙う位置にいます。

嵐の前の静けさもあり得ますが、それなら政府は何らかの株価の下支えも考えているとみています。なぜなら消費税増税を前に株価が崩落するようなことがあれば消費税反対派が大騒ぎするのは分かっているからでしょう。むしろ、今の目線はオリンピック景気に花を添えたいという感じにも見えます。1年以上前にも述べたと思いますが、仮に世界景気が下向きになっても日本では極端な株価の下げはないように見えます。景気の足腰は悪くないとみています。GDPは7割が内需であって貿易ではないという点で上場会社社長の世界景気への懸念との乖離に見えます。もちろん、デカップリングしているとは申しませんけれど。

シェアオフィスは作りすぎ

日本は本当に物まねが大好きです。そしてちょっとした商業スペースの一角を「シェアオフィス」と称して貸し出すケースが続出、雨後の筍のように増大してきています。ソフトバンクの投資部門が筆頭株主として話題になっているWeWorkは収益が上がらず、NYでの上場も延期になっています。私もシェアオフィスにすでに4年もいる中でこの先、期待できるのでしょうか?

ずばり申し上げるとカナダではすでに余る傾向があります。私の事務所は老舗のリージャスが運営していますが、私が入居するところは1-2年前と比べて入居率は数割下がっています。現在は多分、6割ぐらいではないかとみています。私が4年前に入居を決めた時は9割以上の占有率でした。よって契約更改の際もネゴったせいもありますが、わずかな値上げでとどまりました。

日本の場合シェアオフィスの総床面積はこの15年で8-9倍まで増えており、さらに増える勢いです。問題は誰が使うのかという点であり、私はこのマーケットはシャロー(狭い)とみています。特にコーワーキングスペースの場合、喫茶店とどう違うのか、という差別化すら難しいかもしれません。昔は受付嬢、コピー、WiFiが必需でしたがいまや、プリントアウトはしない、WiFiはどこにでもある、ですから個人的にはノマド族と何ら変わらないと思っています。シェアオフィスは戦国時代といっても過言ではないと思います。

さいたま小4殺人事件、私の驚愕

この事件、起きた時から直感で犯人は「父親ではないか」と感じていました。警察も当然、そう思ったはずですし、小出しにされた警察からの情報のリークを見ていると明らかに父親が犯人であることをにおわせていました。

NHKニュースより:編集部

さて、私が気になっていたのは動機。そして驚いたのが小4の息子が「本当の父親ではないのに」と言ったことにカッとなったという点であります。私のポイントは短絡的な父親というより小4の「義理父」という視点であります。小4の子供をうんぬんするつもりは毛頭ないのですが、10歳にもならない子供が「義理〇〇」という意味を本当にわかっていっていたのかと思うのです。

そして「義理〇〇」に一種の差別的ニュアンスが見られるとすればこれは社会的思想の問題ではないかと思います。言い換えればこの小学生に不幸をもたらしたのは社会に蔓延する「義理〇〇」に対する一部の偏見意識こそが背景だったと言えないでしょうか。もちろん、「義理〇〇」は世界でもそれなりに表現されますが(英語ではstep 〇〇と言います。)10歳にも満たない子がそういう意識を持ったということは母親の子供に対する微妙な発言が影響した気もします。

後記

台風の爪痕がまだまだ残る千葉県。先週、私は森田知事は東電を虐めすぎていると書きました。東電が苦労したのは倒木で肝心の電気工事に入り込めなかったこと。ならばもっと早めに東電と森田知事は自衛隊に倒木の処理を最優先で依頼し、東電の作業が迅速に進むよう手配すべきでした。自衛隊への支援要請は10日早朝でしたが倒木対応依頼は11日午前6時です。そして状況が状況だけに習志野駐屯だけではなくもう少し水平展開すべきでした。今回の対応は学ぶべき点が多かったと思います。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年9月21日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。