上田令子都議の「子ども無視の水筒中身「水」限定問題、記者会見敢行!」は、議論の出発点が間違っている。「水筒を持参しなくてよい環境」を作るという発想がどこにもない。
小学生が水筒を持参するようになったのは、そんなに昔のことではない。
昔から、小学校には「水飲み場」があって、水道水を自由に飲めたのである(写真)。
職場でもウォーターサーバーやティーサーバーが用意されているところはあるのだが、そんなに高額の機材はいらない。
小学校の水飲み場を再整備して、定期的な清掃と水質チェックさえすれば、水道水を飲むことができる。水筒はいらないのである。
そもそも、生徒に水筒を持参させると、ただでさえ多くて重い持ち物をさらに増やして、健康に良くない。20kg程度しかない小学校低学年が、ランドセルや水筒を含めると、6kgもの学用品を持って登校しているのだ。(参照:ランドセルメーカーの株式会社セイバン)
私は、小学校が、私物を持ち帰らせることにこだわる「置き勉禁止ルール」にも言いたいことはあるが、それは別の機会にしたい。
井上 晃宏(医師)