引退するとワリカンに続きご祝儀アプリの登場か !?

ある方から「一万円札が無くなるって本当ですか?」と質問されました。

インターネット上でそのような情報があるそうで都市伝説のように聞こえますが「有り得るかも」と思っています。

昨年6月にはインドからのレポートをお届けしましたが、そのインドでは最高額紙幣の1000ルピーや500ルピーが突然、使えなくなることがありましたし、EU(欧州連合、European Union)では2018年末に最高額紙幣500ユーロの廃止が決まっています。

日本でも1万円札が使えなくなることは「根も葉もない都市伝説」ではありません。

ハーバード大学(アメリカ)ケネス・ロゴフ教授の著書『現金の呪い--紙幣をいつ廃止するか?』では、日本は「まず1万円札の廃止を」と書かれています。

ロゴフ教授の主張は
「脱税や収賄などの犯罪の抑止」
「マイナス金利の効果を大きくできる」

などですが、その背景は昨夏のブログで扱ったように日本での現金決済の高割合が挙げられます。

2017年8月14日「【中田宏ピンチ?】あのことで、お金がほとんど無くなった…

インドでは平成28年(2016)年11月8日午後8時にインド政府が当時の最高額紙幣の1000ルピー(日本円で約1520円)と500ルピーは4時間後の11月9日の午前0時をもって効力を失うと発表、12月30日までに旧紙幣を新紙幣へ取り替えるようにアナウンスしました。

インド政府の狙いはロゴフ教授の主張とほぼ同じく
「脱税で得た富裕層のお金のあぶり出し」
「現金による賄賂などの犯罪抑止」

でキャッシュレス社会を目指しましたが、結果的に1000・500ルピーの99.8%が新紙幣に交換され、ブラックマネーも新しい貨幣に替わる形になって問題の解決には至らなかったようです。

日本ではここまで強権的なことは難しいでしょうが、結婚式のご祝儀・お葬式の香典・お年玉など日本人はまだまだ“現金好き”です。

最近ではわりかん(割り前勘定)アプリも出回っているそうですがキャッシュレス社会になると”ご祝儀アプリ”なんてものも登場するのでしょうか?


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年9月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。