自閉症体験VRで感じた、正しく知る大切さ@東大IRCN

こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)のおくざわ高広です。

一昨日は、東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構(IRCN)をお伺いし、自閉スペクトラム症や発達障害を脳科学から研究している長井志江教授と意見交換をしました。

言語によるコミュニケーションや対人関係が困難なASD(自閉スペクトラム症)は、ものの見え方や聞こえ方などの認知スタイルが定型発達者と異なり、それがASD特有の社会性の困難さを生み出す一因と言われています。

こうした認知スタイルの差は、周囲から気づかれにくく、また、本人も気づきにくいそうです。

気づかれにくい認知的な個性を可視化し、自己理解と社会的共有を支援する目的のもと、ASD視覚体験シミュレーターを世界で初めて開発したとのこと。

いくつかの講演や体験会を通じて長井教授が感じていることとして、保護者と教員の意識の違いだそうです。子ども自身により良い暮らしをしてほしいという気持ちは同じであるものの、そのアプローチが違う。

一言で言えば、

保護者は、子どもがどんな見え方や聞こえ方をしているのか理解することでより良い接し方を考えていきたい。

教員は、どんな接し方をすれば子どもとうまくやっていけるのか対処法を知りたい。

といった具合です。

自閉症の方の聞こえ方を擬似的に表現した映像を見せていただいたのですが、実は、私が疲れたときの聞こえ方と全く同じでした。これまで、話を聞けとか、なんで話聞いてないの?とか言われて、自分自身も状況をちゃんと説明できずイライラして、怒ったり威圧的な態度とったりしてしまうこともありました。

その映像を見た同僚から「奥澤さんの置かれてる状況が初めて分かった」と言われて、すごく救われた気がしましたし、そんなときにどう対処していけばいいのか一緒に考えていけるというのがとても嬉しく感じました。

長井教授は、自閉症はじめ見えないけれど確実に存在する感じ方の違いを理解することで、より良い社会をつくるアプローチを変えていきたいと仰っていました。また、その違いは誰にでもあるもので、その違いの強さや幅が人によって違うだけで、何も恐れるものはないとも。

こうした研究成果や科学的根拠に基づいた施策をいかにして都民の幸せに繋げていくことができるか、行動で示していきたいと思います。


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2019年9月25日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。