中田宏の【知っトク解説】今回は“直接税と間接税”
この10月から消費税が8%から10%に引き上げられます。
消費税は、私達がお店で物を買うときなどに負担しますが、納税するのはお店などの事業者です。
このように、税負担する人と納税する人が違う税を間接税といいます。
一方で、税負担する人と納税する人が同一である場合の税を直接税と言います。
直接税にはどんなものがあるかというと、自分の所得から納税する所得税。住んでいる市町村に納税する市町村民税。
企業が利益から納税する法人税。
相続した人が納める相続税。
家などの資産価値に係る固定資産税などがあります。
間接税は消費税以外にどんなものがあるかというと、お酒を買ったときの酒税、たばこを吸う人のたばこ税、温泉に入ったときの入湯税、ガソリンを入れたときの揮発油税、ゴルフをしたときのゴルフ場利用税などかあります。
直接税と間接税を足して合計100とすると直接税と間接税の比率(直間比率)は66対34で直接税の方が多くなっています。ということは、消費税などよりも個人の所得税や住民税、企業の法人税などの方が大きな役割を占めていると言えます。
他の国を見てみるとこうなります。
日本は以前から直接税のウェイトが高いと言われてきました。日本より直接税のウェイトが高いのはアメリカですが、他の国々は間接税の比率が直接税よりも高くなっています。これからの日本は高齢社会であり、生産年齢人口が縮小していく社会なので、所得にかける所得税や住民税などには限界があります。
その意味で何か物を買ったときに等しく税金を払うことになる消費税の役割が大きくなってきたと言えます。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年9月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。