知っトク解説:今回は“金融政策”

中田宏の知っトク解説。今日は“金融政策”

日本銀行が金利を上げたり、下げたり、国債を買い入れたりなど、ニュースでよく出てくるこれらのことを金融政策と言います。
金融政策は政治家や政府が行うのではなく、国家や特定地域の金融機構の中心となる中央銀行(日本の場合は日本銀行)が行う政策です。本来、各国の中央銀行は政府からの独立性が高いことを求められますが、最近では経済政策の一端として政府と協調したり、政府から求められる金融政策が多くなってきました。

そもそも中央銀行の目的は、日本銀行法第1章第2条に、「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」と書いてあるように、物価の安定を図ることによって、国民経済を安定させることです。

その目的の為に、伝統的な金融政策として「金融政策」があります。
日本銀行から民間の銀行に貸し付ける金利を上下させることで、銀行は私たちや企業に貸し出すお金の金利を上下させてきました。
日本銀行から貸し出すお金の金利を、以前は「公定歩合」と呼んできましたが、平成18年からは「基準割引率」「基準貸付利率」と呼んでいます。また民間の金融機関が、一定額の貯金を日銀に預けなければならない「預金準備率」という政策もあります。

最近では、「公開市場操作(オペレーション)」と呼ばれる通貨の市場流通量を調整する政策の役割が大きくなってきました。これらは非伝統的金融政策と呼ばれています。
例えば、日本政府が発行する国債を、日本銀行が民間の金融機関から買い上げることや、証券取引所から投資信託を買うことで、市中に通貨供給を増やすことなどがあります。

一方でこれらには副作用があるとも言われています。

例えば実経済以上の通貨が出回ることによって、お金が投資にシフトしてバブルが発生したり、国の借金を日銀が買うことで、国の財政規律を歪めてしまう懸念などが指摘されています。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年10月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。