埼玉補選:ポスターの掲示責任者を堀江貴文氏にする立花氏の戦略

ご本人の承諾なしにこんなことをするはずがないから、ホリエモンこと堀江貴文氏が立花孝志氏の応援を買って出ているのは間違いないだろう。
※編集部注:動画は立花氏YouTubeより

ご本人に現在どの程度のカリスマ性や吸引力があるのか分からないが、これで堀江貴文氏が応援演説にでも登場したら立花氏の街頭演説にそれなりの人だかりが出来るのは必至だろう。

立花氏の言動にはまだまだ不安な要素があるが、それでも立花氏にはいわゆる有名人を巻き込む力があるらしい。
現実にみんなの党の渡辺喜美氏やN国党の幹事長を引き受けた上杉隆氏を仲間の一人に巻き込んだのだから、立花氏には一種独特の人垂らしの才能があるのかも知れない。

そんなものには何らの戦略性がない、と一刀両断に切って捨てたい方もおられるようだが、私が見ている限り立花氏は着々と手を打っているように見える。

10日の出陣式の街頭演説にはそれなりの聴衆が集まったようである。
ひょっとしたら上田氏の出陣式に動員された聴衆よりも多かったのかも知れない。

参議院の補欠選挙に関心を持っておられる有権者が増えることはいいことである。

これで大宮の駅前を聴衆が埋め尽くすようになれば、何が起きるか分からない。

上田氏の選挙は実に強かだが、立花氏の選挙も結構強かなように見える。

自分との親和性や候補者への期待感が投票行動を左右するのは確かだが、決して人気投票ではない

選挙の投票が人気投票だなどと仰る方がおられるが、それに近い選挙もあるのかも知れないが、私が知っている選挙はもう少しドライである。

好感度の高い候補者の方が好感度の低い候補者よりはより多く得票するのが普通ではあるが、それだけでは最近の投票率の低下を説明することは出来ない。

一種のブームが起きているときは、ブームに便乗した候補者が思わぬ得票をすることがあるが、そういう場合は決して候補者本人の人気は関係しない。

マドンナブームの時は、女性の候補者と言うだけで当選した人が多かったろうし、橋下徹氏が登場したときは維新の候補者というだけで当選した候補者も多かったと思う。小泉チルドレン然り、都民ファースト然り。

候補者本人の資質なり人気とはおよそ関係ない要素で得票したり、得票しなかったり。

私が初めて衆議院選挙に挑戦した当時は、自民党の退潮傾向が顕著になっていた頃で、誰が自民党から立候補しても当選が難しかった時代である。

人気投票で当落が決まった、などとは思っていない。
まあ、知名度ゼロの新人候補では人気が出る、などということは期待するのがそもそも無理というもの。

現在の立花氏の立ち位置は、およそそういう物からは無縁だろう、というのが私の見解である。

彼にはそれなりの哲学と政策、さらには戦略がある。

私などとはおよそ別の世界におられた方だが、立花氏には誰の利益を代表するか、という明確な目標がある。

そのことを、既得権益を打破する、と表現しているはずである。

立花氏が既成の利益集団の既得権益を打破しようと動いていること自体は、認められた方がいいのではないかしら。
立花氏は、馴れ合い政治や談合政治には強く抵抗するはずである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年10月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。