文政権終わりの始まり!チョ法相辞任

高 永喆

14日午後2時、大型不正疑惑で捜査中だった曹国(チョ・グク)氏が法相を辞職した。8月9日に法相に任命された後、メディアと検察の厳正な捜査にも2ヶ月と5日も持ちこたえた。

法相を辞任したチョ氏(KBS NEWSより)

文在寅大統領は国民との間に葛藤を助長した点に「済まない気持ちいっぱいです」と談話を発表した。文大統領が就任後初めてとも言える異例の誤りを認めたのは、それだけに政治生命が危険なほど焦っている証拠である。

今回、チョ法相が辞職した決定的なきっかけは、これまで行方不明だった夫人のノートパソコンを13日に検察が差し押さえ、その中に記録された仮名不動産、秘密資金などチョ一家全体の不正疑惑内容がすべて明らかになったからだ。

『月刊朝鮮』のムン・ガプシキ記者の取材によると、チョ氏の妻、鄭氏は「多大な犯罪を自分だけ全部担うのはできない」「自分が拘束されると検察にすべてを打ち明けておく」と訴えたという。結局、チョ氏一家は全員が拘束される危機に直面している。

それでも、チョ氏は自分が検察改革を焚き付ける役割を果たす途中だったが、前言を翻して辞職することになった。文大統領もまるでチョ法相が検察とメディアの不当な非難攻撃によって退くようになったと嘘をついた。これまでチョ氏の不正疑惑を暴露報道していた右派YouTuberの広告収入を遮断した文政権が誤魔化しや嘘で国民を愚弄している。

文在寅大統領(韓国大統領府FBから:編集部)

文大統領はチョ氏家族の大掛りな“不正非理”にもかかわらず、法相に任命した。これは、チョ氏が文政権の大型不正疑惑を暴露する恐れがあるからだったとされる。今後、文政権は歴代最大の不正疑惑を相次いで暴露される可能性が高い。 政権崩壊の時限爆弾・導火線に火が付いている危険な情況であることがうかがえる。

尹錫悅検察総長の後ろ盾は大勢の国民支持世論と全国の検事グループ(2,292人)であり、先月は米FBI長官が異例にも尹検察総長を訪れた。次の捜査標的は大統領本人になりかねない情況である。

「不正の倉庫」とも言えたチョ法相は就任後、逆に検察を改革すると発言し、全国の検事団が猛反発した。10月3日にはソウルで300万人以上が「チョ・グク罷免!文在寅退任!」を叫びながら大統領府まで行進して毎日、徹夜でのデモを継続中だ。

勢いづいたソウル市街での反文在寅デモ

歴代最悪と言われる政策失敗で、国民は文政権にすでに背を向けている。国が700兆ウォンもの借金状態というのに、ばら撒きをしてきたポピュリズムにも関わらず、国民は騙されることなしに、文政権の誤魔化しの手口を見抜いている。

中国とアメリカからも無視され、金正恩にさえ「死んだ牛の頭!アホだ」と無視されしても、一言も抗議しない。

反骨精神とプライドの強い韓国民は怒っている。誤魔化しやデタラメ政権を絶対に許せず、勢い付いている。文大統領は日にちが経つにつれて、弾劾辞任か、亡命か、岐路に立つ可能性が高まっている。

高 永喆
拓殖大学主任研究員・韓国統一振興院専任教授、元国防省専門委員、分析官歴任

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