海外でウーバー(UBER)が使えないのはとっても不便

内藤 忍

ロンドン滞在では、移動手段としてウーバーが大活躍します。今回もヒースロー空港で早速ウーバーに乗ってホテルまで向かいました。

タクシーと比べたウーバーのメリットは、何といっても料金が安いことです。ロンドンの空港から市内中心部までの場合、タクシーなら70~80ポンド程度かかるようですが、今回のウーバーの料金は45ポンド。ウーバーが実質的に機能していない日本は、ウーバーの方がタクシーよりも高いという不思議な国ですが、一般に2割から3割は割安に移動できます。

そして、ほとんどの場合、事前にクレジットカード決済ができるので、降車するときも支払い手続きが発生せず、スムースに利用できます。

さらに、何よりもメリットなのは、ドライバーに行先を告げる必要が無いことです。住所を紙に書いてドライバーに見せたり、道順を説明するのは知らない土地では煩わしいことです。また、ドライバーがわざと回り道したり、住所の似ている間違った場所に連れていかれるリスクもありません。ドライバーさえ見つけられれば、車内でのストレスがありません。

そんな、メリットだらけのウーバーですが、イギリスのロンドン交通局は今月25日に、営業免許を更新しないと発表しました。3週間の猶予期間を経て、サービスが提供されない可能性が出てきました。ウーバーはロンドンで4万5千人強の運転手がいて、350万人以上がサービスを使っているそうです。もし、サービスが停止されれば、旅行者にとって不便になるだけでなく、ウーバーの収益に与える影響や、安全イメージの低下など大きな影響が出てくることになります。

もちろん安全性への充分な配慮は、公共交通サービスにとっては、とても大切なことです。ウーバーの運転手がなりすましで別の人になっていては、安心して利用することはできません。

しかし、安全性を言い訳にして、タクシー業界に配慮したり、アメリカ企業に対して欧州が締め出しをするようなことがあってはならないと思います。

日本のように、ウーバーという名の「ハイヤー」サービスしか提供を認めない国は論外ですが、安全対策をしっかりして、価格だけではない多くのメリットのあるサービスを世界で使えるようにして欲しい。利用者の一人として、そう思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年11月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。