たとえ丸山議員が佳子様にナンパしても問題なし

八幡 和郎

毎度お騒がせの丸山穂高 衆議院議員が、即位をお祝いする宮中の「饗宴の儀」(立食会)で、飲酒のあと、眞子様や佳子様に率直すぎる会話をしたと批判されている。江川紹子氏がお怒りだという記事がデイリースポーツに載っていた。

丸山議員へ「ゲス」「あんびりーばぼー」眞子様へ「お寂しいですか」(デイリースポーツ)

私は丸山議員の日頃の行いをいいと思っているわけでないが、今回の批判ばかりは何かおかしいのではないかと思う。

NHKニュース、丸山氏ツイッターより:編集部

まず、酒は出されているのだから、吞んでもいいし、度を超さない限り少々酔っても悪いわけではない。酒の臭いをぷんぷんさせてご進講に現れたと場合とは違う。単に他の議員やマスコミから揚げ足を取られる可能性が多いのに軽率だと言うだけだ。また、「泥酔」とか野党議員がいっているようだが根拠に乏しい。

眞子様に対し「米国は遠いですね。寂しいですか」と聞いたらしいが、丸山議員が「婚約内定会見をされた方に触れることは、何ら問題があると思っていない」というのは正しい。私は少なくともいったん婚約は白紙に戻すべきだと主張しているが、残念ながら、実現していないので延期されているだけだから、「准フィアンセ」のことを聞くことは失礼でも何でもない。

この「饗宴の儀」が立食で開かれたのは、雅子皇后陛下の体調に配慮して、平成の同様の饗宴のときに呼んだ人数を着席で呼ぶことができず、窮余の策として一部が多人数をいちどに呼ぶ立食となったと言う事情がある。

なかなか皇族方と立食会でご一緒できるチャンスはないので、いろんなことが起きるだろうとは思っていたし、このくらいは想定の範囲内だ。

心配していたのは、園遊会での山本太郎のように政治的に利用するような質問などする輩が出ないかということであって、この程度のことで罪はない。

そもそも、たまたま、皇族方とお話する機会があれば、聞いてはいけないことがあるのだろうか。私はそれが政治的な利用に当たるとか、社会通念上、皇族でなくとも著しく非礼なことでなければいいと思う。

『たとえ丸山議員が佳子様にナンパしても問題なし』と刺激的なタイトルをつけたが、独身の丸山議員が独身の皇族女性にナンパしたらなにか問題があるのか。古来、宮廷を舞台にしたロマンスはこういう機会に生まれているのであって、なにも場違いでも何でもない。

独身男性が独身女性にパーティの席でお付き合いを申し出るのはとても健全だ。逆に、皇族女性と国会議員であろうと誰であろうが、携帯電話を交換しても何が問題なのか。あるいは、女性皇族に愛の告白をしようがお付き合いを申し出ようがなんで悪いのか。

皇族に男女間で普通にあるお付き合いの申し込みをしてはいけないというなら、皇族の側からしかお付き合いの申し出はできないことになるが、それもおかしな話だ。

逆に、そういうことをダメだといって無菌状態にしておくから、K氏みたいなちょっととどうかと思う男にひっかかったのではないのか。もちろん、これは丸山議員がオススメできる男性というわけではない。ただの一般論であることはいうまでもない。

私はかねて悠仁様にも、そろそろ、パーティーなどでできるだけたくさんの女性と話す機会をつくっていったほうがいいと提案し、「皇居で婚活パーティー?」などとネットでからかわれたが、おおまじめに考えたほうがいいのでないかと思う。

そういう場合の招待者に丸山議員がふさわしいとは思わないが、失礼なことをいわない人だけしか近づけないというのでは、現代社会の皇族は務まらないと考えるべきだ。


八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授