ハイスペ女子との結婚を敬遠する男性が見落としていること

黒坂 岳央

高学歴でよく稼ぐ結婚適齢期の女性は「ハイスペ女子」と呼ばれます。世の中の男性はこのハイスペ女子を敬遠しがちで、ハイスペ女子本人も「これまで努力してきたのに、なぜそれを敬遠するのか」と納得できない気持ちでいるのではないでしょうか。

acworks/写真AC(編集部)

私は自分より高学歴で、稼ぐ力が高い嫁さんと結婚をしました。どれだけ自分をアップデートさせても「この人が元来持っているインテリジェンスには永遠にかなわないな」と思わされるばかりです。結婚前も、結婚後もこの感覚は変わりません。

これは世の男性がハイスペ女子を敬遠する風潮に、一石を投じることになるかもしれませんが、「自分より知的で能力の高い女性と結婚してよかったな」と思うことが多いと感じるのでシェアします。

結婚すると夫婦関係は「恋人→共同経営者」へと変わる

当たり前すぎる事実ですが、結婚と恋愛は別ものです。

燃え上がるような恋愛をしたカップルが、結婚後に離婚するという話は決して珍しいことではないからもそれはわかります。反面、恋愛をせずに結婚することもある「婚活」で意外とうまくいくパターンも多いようで、その理由に「元々、相手に期待をしないところから始めるから」ということがあるようです。恋愛結婚は減点方式、婚活結婚は加点方式と評する人もいるようです。

恋愛は恋人同士の関係ですが、結婚は人生の共同経営者のような関係へと変わります。私は奥さんとの会話の90%以上がお互い取り組んでいるビジネスや投資の話題、残り10%が子供をいかに教育していくか、自分たちが幸福度の高い人生をどう歩むのか?という人生戦略論の策定と進捗確認です。家の中にいても、常に会議室でディスカッションをしているような感覚で、夫婦関係というより完全に共同経営者という感じなのです。

中・高校をほぼ不登校で終えた私と異なり、嫁さんは非常に聡明で高い教養があるので、ビジネスでも投資でも子育てでも本質的で説得力のある、極めてロジカルなソリューションを提案してくれるので助かっています。

共同経営者なのですから、相手は優秀な方が有利にビジネスが運ぶに決まっています。で、あるならばハイスペ女子を敬遠することは、優秀な共同経営者のパートナーの選択肢をあえて捨ててしまうのと同じことなのです。 

ハイスペ女子はアゲマンである

自分の奥さんではない、ハイスペ女子を見てその多くは「アゲマン」と感じます。アゲマンというのは、相手の男性をアップグレードしてくれる存在のことで、ビジネスの成功や出世などにも関係するありがたい存在です。

ハイスペ女子は、本質的な知性の高さや努力・成長信仰があり、社会貢献意識が高く、モラルがある傾向があります。なぜなら努力を大事にし、ある程度の知性がなければ、ハイスペックになることはできないからです。そうした人を伴侶に迎えると、否が応でもポジティブな影響を受けることになります。私は奥さんと出会って

「知性は天性のものだが、知力は後天的に磨くもの」
「言葉は行動や習慣を決める重要なものだから、大事にするべきであること」
「成功を収めるには、必要な要素を1つずつ満たしていくもの。淡々と必要な努力を重ねることが成功するために唯一の手段」

などを教わりました。また、リスクを取ることの重要性も彼女から懇切丁寧に教わりました。その結果、外資系企業へ転職したり、起業したり、出版や投資について嫁さんのアドバイスで実現させることができました。

ハイスペ女子と結婚すると、人生のステージをブーストすることができるメリットがあります。

ハイスペ女子を敬遠するのはつまらない男のプライド

男性はプライドを持った生き物です。外面の良さを重視し、人からよく見られたい、バカにされたくないという欲求を強く持っています。それ故に自分より優れた女性との結婚をして、プライドを傷つけられたくないという恐怖を抱いているのではないでしょうか。

ですが、そのようなプライドを理由に結婚相手として敬遠するのは、あまりにももったいないと思います。自分の方が優れているからと言って、相手を下に見るのはその人の知性の高いからというより、その人の性格によるところが大きいです。

私は常識がない部分もあるので、嫁さんに自分の無知を披露してしまう場面が何度もありましたが、彼女は私をバカにする代わりに、「勉強すれば知識はいつからでもつけられる。無知を恥じるヒマがあるなら、勉強をした方が有意義な時間の使い方よ」と言って助けてもらったものです。

プライドを大事にすることをムダとは思いませんが、プライドを守ることだけに固執して自らをアップデートすることをサボってしまうと進歩はありません。もとい、ハイスペ女子と結婚する方が「相手にかっこ悪いところを見せられない」と自助努力の燃料にすらなると思っています。

ハイスペックであることをコンプレックスに感じる女性もいるそうで、本当にもったいないと思います。自分は今の奥さんに出会えたことで人生が確実にポジティブになったので、心からそう思います。

もしも結婚前の私が「相手は一流大学を出ているから」とか「優秀だから」などの理由で敬遠していたら、今やっているビジネスも出版もできなかったことを考えると、不要なプライドなんてもたなくてよかったと思っています。

ハイスペ女子との結婚を敬遠せず、むしろオススメしたいと思います。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。