法政大学(東京都千代田区、田中優子総長)が、6日に開催予定の「ミスター法政コンテスト」について「容認できない」として、同大の学生センターが大学の公式サイトで声明を出してネット上の話題を集めている。
ミスター法政コンテストは、都内のイベント運営会社が企画・開催。この会社は全国各地の大学でも“イケメン”男子学生を選出するコンテストを手がけており、法政大のコンテストは、7月下旬に最終選考の候補者を発表していた。投票受付を開始し、10月20日に終了。12月6日に結果を発表する予定だったようだ。
ミスター法政コンテストの運営ツイッターのプロフィールでは、同大学でのミスコン開催は約10年ぶりで、男性が選考対象となるミスターコンテストとしては約40年ぶりだとしている。これに対し、大学側は11月29日、こうしたコンテストについて「主観に基づいて人を順位付けする行為」だとし、ダイバーシティで掲げる「多様な人格への敬意」に反するものだと指摘。
学生でつくる学園祭の実行委員会も過去にミスコンを認めてこなかったことを「先見性に富む」「本学の誇るべき伝統」と評価した上で、
いかなる主催団体においても「ミス/ミスターコンテスト」等のイベントについては、本学施設を利用しての開催は一切容認されないものであることをご承知おきください。
と、キャンパスから締め出す強い意向を示した。
ツイッターでは、大学関係者や社会学者などから賛意を示す意見が多くみられた。
元新聞記者で、社会学部准教授の藤代裕之氏は「ミスコンやらない法政は、法政らしくて良い」と評価。
在籍中の3年生は、「ダイバーシティ掲げてるぐらいだし、私は誇るべきだと思っています!」と強調。
社会学者の小宮友根氏は、声明文について「学生センター(大学側)と学祭実行委員会(学生側)の両方が明確に姿勢を示してるのすごいな。」と注目していた。
これに対し、少数派ながら、
一種の自己表現のコンテストなんだから開催してもいいと思うけどな。全員強制参加でもないし。参加したい人が参加しているんだから。
フェミ、うざっ(フェミニストがうざい)
などと、大学側の声明文を冷めてみる意見もあった。今回の法政大学の対応について、新左翼系の学生運動が展開されてきた過去や、質実剛健といった一般のイメージと結びつけてみてしまう向きもありそうだが、大学側が公然と「反ミスコン」の姿勢を示したのは異例で、世の中の注目をさらに集めるかもしれない。