「ここでは自分の力が十分発揮出来ない」と思われたら、「遠慮なく別の働き場を求められたらいい」というのが私の基本的なスタンスである。霞が関である程度のキャリアを築かれた方が次々に転職されているという記事を読んだ。
私も元霞が関のキャリアの一人だったので、外から見れば如何にも私もその一人のように見えるかも知れないが、私自身は家庭の事情で役所を辞めただけのことで、役所の水は自分に合っていたのではないかと思っている。
しかし、後悔はまったくしていない。
波乱万丈と言うほどではないが、それなりに変化に富んだ面白い人生を歩んで来たつもりでいる。
私と同じ歩みをおススメはしないが、悪いことではない。
もっとも、それなりの備えがあることが肝要である。
あれこれ職場を変えても大丈夫な人は、それなりの資質や能力、環境を備えていることが絶対条件で、何の用意もなくて職場を変えても望むような仕事は獲得出来ないのが普通である。
霞が関にも永田町にも回転ドアが必要だな、と思ってはいるが、その回転ドアを潜って出入りが自由に出来るのは、あくまで極く一握り。私の場合は、在学中に司法試験に合格していたから、いつでも司法修習生になり法曹の道を歩むことが出来るといういわゆるゴールデン・パスポートを所持していたから。
弁護士の資格を持っておられる方々であれば、今でも霞が関にも永田町にも行くことは可能である。
霞が関の場合は、任期付き公務員として、永田町の場合は国会議員として。
幸い法曹有資格者の数は増える一方である。
霞が関も永田町もそう簡単に入れるような場所ではないが、一定の条件さえクリアされれば自由に出入りが出来る。
法曹有資格者の皆さん、挑戦されては如何?
まあ、かつてほど面白い場所かどうかは保証の限りではないが。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年12月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。