起業してビジネスを運営する「お金以外」の目的とは?

こんにちは。黒坂岳央(くろさかたけを)です。
※Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

初めて自分のビジネスで本格的に収益を出して、そこそこ年数が経過しました。

完全に赤字で終わってしまいましたが、本当に初めてのビジネスは2013年に銀座のレンタルオフィスで英会話スクール起業を試みた時ですから、そこから7年間も経過しています。いつの間にか随分時間の経過があって驚かされます。

そこから何度もビジネスを立ち上げて潰すことを繰り返してきましたが、ようやく確固たる収益を上げることができるようになりました。私は決して大富豪などではありませんが、会社員時代と比べて10倍ほどの収入になりました(「会社員時代でもっとも高収入時の10倍」というわけではありませんが)。ビジネスをもっと大きく育てたい意欲は消えていませんが、今のところは毎日とても満足して楽しんでビジネスをやっています。

失敗や挫折も数しれず、不器用だったので人並み以上に紆余曲折したものの、曲がりなりにも食べて行けているのは「お金以外」をビジネスで大事にしてきたからだと思うようになりました。

「ビジネス=お金」と思い込みが強すぎる人たち

ネットやリアルで他の方とコミュニケーションを取ると「ビジネス=お金」と強く思い込んでいる人にお会いすることが少なくありません。

かっちゃん/写真AC

もちろん、ビジネスですから数字が全てです。私もお金に強い執着のある「利益第一主義」などではありませんが、お金がなければ商品仕入れも従業員を雇うこともできませんから、お金はやはり大事な要素であることには変わりありません。ビジネスをしていて「楽しいけど利益が出ていません」というのは、ビジネスの継続ができないので、あってはならないことなのです。

それでも、ビジネスはお金を稼ぐ手段という「だけ」ではありません。ある程度お金を稼いで満足すると、数字が増えることにはそこまで大きなこだわりはなくなっていきます。筆者も今頑張って取り組んでいる理由は「お金以外」を目的にしているからです。いえ、起業当初から「お金以外」を目的に取り組んできて、結果としてお金がついてきたという感覚があります。 

「ありがとう」は売上より嬉しい

この「お金以外のビジネスの目的」というところをお話するならば、「楽しい」「感謝が嬉しい」という2つです。

ビジネスはやっていて純粋に「楽しい」と感じます。私は収益のメインに高級フルーツギフトの販売と、オンライン英語教育をビジネスとして展開しています。「お金より、楽しいからやっている」という感覚が大きいです。

これらのビジネスからはメディア取材、講演依頼、メディア寄稿の仕事が派生することもあり、それもやりがいがあって楽しく、日々夢中になって取り組んでいます。中学・高校時代はゲーマーとして良い記録を出すことに明け暮れていましたが、感覚としてはその時とほとんど変化がないのです。やっていることは「ゲームとビジネス」という具合にまったく異なるのですが、心は両者とも変わらない楽しさがあります。

そしてもう一つは「感謝を集めるのが嬉しい」という理由があります。もちろん、キレイゴトを言うつもりはなく売上があがると純粋に嬉しいと感じます。ですがそれ以上に顧客からの「ありがとう」の感謝を集めるのが嬉しいと感じます。売上があがったことを知らせる、注文メールが10個届くより「おかげで助かりました。ありがとう」という1通のメールの方が深い嬉しさを感じます。お金の喜びには慣れがありますが、「ありがとう」は何回もらっても不思議と飽きることがありません。

人によってビジネスをする目的は異なると思いますが、筆者は「楽しい」と「ありがとう」を集めることを第一義的に取り組んできました。お金は自然にその結果としてついて来たように思います。

お金だけが目的ではつまらない

「ビジネスはお金」というのでは人生つまらないと思います。

使い切れないほどお金があっても、銀行口座に入金される数字が増えても、人生の幸福度は変わりません。筆者のように東京から地方へ移住し、子育てもしているとお金の使い道もかなり限定的です。そもそも使う時間もあまりありません。かといって、贅沢な暮らしに興味はなく、今後もドカンと浪費の予定もありません。お金が目的化すると途端にビジネスはつまらなくなると思ってしまいます。

お金以外をビジネスの目的にすることで、どんどん楽しくなってくることが見えてきた気がします。

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。