東京港区の「寿司バブル」はいつまで続くのか?

内藤 忍

最近出かけた赤坂のお寿司屋さん。ネット上でも非常に人気のお店で、カウンター10席のみ。夕方6時と8時半からの1日2回転で営業しています。

実はこの店、私が予約したのではなく知り合いの方に予約を譲ってもらい「代打」で出かけたのですが、帰り際に次回の予約を取ろうとすると1年先まで一杯と言われ、びっくりしました。

このように東京都心部のすし店を始めとする人気飲食店は、予約が取りにくくなっていますが、それにはいくつかの要因があります。

まず、1つ目の理由は、富裕層が外食をする際に利用するお店が特定のレストランに集中するようになったことです。ネットで飲食店情報が瞬時に広がり、人気店や話題店はあっという間に予約が取れないお店になってしまいます。

また、お寿司屋さんのように席数が少ないお店では、そもそも予約が取れる人の数が限られています。私が行ったお店もカウンター10席のみ。1日10組しかお客様が入れないのです。

そして3つ目の理由は、予約が取れなくなると来店した人が、次の予約を押さえるリピートを繰り返すようになり、新しいお客様が予約が取れない状態になってしまうのです。

一旦予約をキャンセルしてしまうと、常連の予約のループから外れてしまうため、私が行ったように代打を立ててでも、予約をつないでいこうとするのです。

日本の飲食店は、牛丼やラーメンのようなファストフードも低価格高品質ですが、お寿司屋さんやフレンチレストランなどの有名店もグローバルに見るととてもリーズナブルな価格です。

予約が取れない東京都心部のお寿司屋さんの状況を「寿司バブル」と揶揄する人もいますが、私はこの状況は当面変わらず、むしろ今後さらに加速するのではないかと懸念しています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年2月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。