東京オリンピック延期で、今年の夏は「天国」か「地獄」か

2020年の東京オリンピック開催は延期される可能性が濃厚となってきました。

Prachatai/flickr

中止ではなく延期するとすれば、問題になるのは、開催時期をいつにするかです。

数ヶ月ずらすという予想もありますが、コロナウィルスによる感染がいつ収束するかはまだ見えておらず、年内開催は再度延期するリスクもあり、選択は難しいと思います。

逆に延期期間が長くなればなるほど、マイナスの影響が出ますから、2年後、4年後といった案もデメリットが多くなります。まずは、2021年の開催を目指し、水面下で調整を始めている。これが私の予想です。

いずれにしても、予想されていたビックイベントがすっぽりと消えてしまいます。東京の今年の夏はどうなるのでしょうか?

当たり前ですが、まずはコロナウイルスの感染状況がどうなっているかによります。

もしピークを越えて収まっていれば、自粛や自宅待機の反動で、多くの人が外出したり旅行に出かけるのではないかと予想します。それによって現在は大きなダメージを受けているホテルや飲食店は、経営状態が一気に大きく改善するのではないでしょうか。また、もし日本の感染者数が今後も抑え続けられれば、外国人の日本へのインバウンドも復活し、こちらも大きなプラスになります。

今年開催されないことは、追加コストや他のイベントへの影響などマイナス面もありますが、1年後の開催で通常開催以上に大きく盛り上がる可能性もあります。ウイルスによって世界が団結するムードが高まるとイベントとしては大成功です。

一方の、悪いシナリオは、今後日本にもクラスター感染が広がり、東京の非常事態宣言やロックアウトなどの動きが出ることで、本格的な経済活動の回復が遅れてしまうことです。

私は、引き続き後者の日本のコロナリスクを懸念している1人です。そんな最悪のシナリオを回避し、何とか最善の結果になって、明るい夏を迎えたいものです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年3月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。