小学館が運営するネットメディア「NEWSポストセブン」が26日夕方、「安倍昭恵氏、花見自粛要請の中で私的「桜を見る会」していた」と題した記事を掲載したことが、ネット上の騒ぎにとどまらず、27日午前の参議院予算委員会の野党議員の質問でも取り上げられ、安倍首相が反論する異常事態に陥った。
問題の記事は、週刊ポストが30日に発売する最新号の予告編を配信したものだ。昭恵夫人が、3月下旬、都内で人気女性モデルや有名男性アイドルとともに、ライトアップされた桜を背景に撮影に応じている写真を、ポスト編集部がスクープ入手した上で、
森友学園問題をめぐり自殺した近畿財務局職員の手記が報じられ、疑惑が改めて注目される中、渦中の昭恵夫人は私的な“桜を見る会”を楽しんでいた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、小池百合子・東京都知事が花見の宴会などの自粛を要請する中、この写真を世論はどう受け止めるだろうか。
などと、最近の安倍政権のスキャンダルやコロナ対応で緊迫する世情に結び付けて追及している。ポストセブンが記事を配信した直後から、案の定、アンチ安倍政権の左派を中心に非難轟々。
元朝日新聞記者の佐藤章氏は「ふざけるなよ!」「追放!」と激昂。
元経産省の望月優大氏は「赤木氏の遺書の公開直後にこれはないよ。いくらなんでも。」とツイートした。
ほかにも、左派系のネット民たちが昭恵氏の振る舞いに対してファーストレディにひっかけ、「ワーストレディ」と追及したり、あるいは安倍政権にさほどアンチでない人たちからも「マリーアントワネット」などと失笑気味に評された。
ネット上の波紋から一夜明けたこの日、とうとう参議院予算委員会でも話題に。立憲民主党の杉尾秀哉氏は
花見自粛要請中の中、奥様の昭恵夫人が都内で花見をしている写真が出回っています。来週発売の週刊誌で記事と写真が掲載されます。総理はご覧になりましたでしょうか?
と追及した。これに対し、安倍首相は
「都内のプライベートなスペース、レストランということでございます。知人と会合を持った際にみんなで記念写真を撮る際に桜を背景に行ったということでございます。公の場で花見を行っていた、また東京都で自粛を求めている公園での花見のような宴会を行っていた事実はないということでございました。
と答弁し、ネット上で非難されている内容に事実上反論した。
それでも、おさまりがつかない左派の人たちは
レストランなら花見いいんだ。でも、総理大臣の妻が率先してレストランとはいえ、花見ね。 国民には「自粛」と言っていて自分は何やってもいいんだ。
レストランの敷地だろうが公園だろうが集団で写真を撮る行動自体に問題があると思う
などと、問題視していたが、安倍政権の支持者などから
もっと有益な議論しろ もっと有益な記事をかけ
週刊誌ネタのレストランでの切り取り煽り記事 もう既存野党の限界
普段、私権の制限は許されないと言ってる野党がここぞとばかりに私権を制限させようとしている。
などと、野党やメディア側の姿勢を逆に批判する声も相次いだ。
ただし、昭恵氏の奔放な言動が政局の混乱を生み出してきた経緯から、ネット右派の人たちからゲンナリする声も。
この奥さん、どれだけ国政に無駄を生じさせているか分かってんのかな。安倍首相もよく耐えているわ。
嬉々として国会で取り上げる野党にはうんざりする。ただ、昭恵さんも、こういう時期に派手な動きをするとどうなるかってことは、考えてほしかったわ。
東京都の今週末の外出自粛要請を受け、隣接する他県も東京との往来を制限するなど厳戒ムードにあって、国会の質疑は与野党ともに「平常」のようだ。