政府の緊急事態宣言発令から一夜明けた8日、外出自粛要請にもかかわらず、早朝の東京都内では通勤する人たちで混み合う場面もみられた。
そうした中で毎日新聞が夕刊用に配信した「記事出勤風景、緊急事態宣言で激変なし 感染拡大で既に人通り減る」が、記事で言及された場所と、人手があふれかえる写真の撮影場所が異なることで、ネット民から「印象操作ではないか」と批判の声が上がる騒動になっている。
毎日の記事は冒頭で「丸の内のオフィス街。午前8時を過ぎるとマスクをつけた大勢のサラリーマンらが信号待ちの列を作った」などと記述。公式ツイッターでも「丸の内の出勤風景」とつづった。
しかし、画像をよくみると左手のほうに「月島警察署」と表示された交通看板が確認できる。丸の内は千代田区内で丸の内警察署の管轄区域だが、月島警察署は中央区にある。撮影場所は記事の第2段落にある「中央区勝どき」だったようだ。
この毎日記事に対して、
平時よりはずっと少ないけど、これで感染拡大は防げないと思います。。。
テレワークを導入しようにもできない業種があるのも事実ですが、導入できるのにしようとしない企業が少なくないことも事実ですね。海外のような強制力のある都市閉鎖ができないぶん、可能な限り企業側の意識改革が進むことを願うばかりなのですが。
などと素直に受け取った人もいたが、
文章は丸の内の出勤風景なのに、写真は勝どきから晴海あたりの風景出勤風景というイカサマ記事。
これ、タイトルは丸の内なのに、写真と内容は勝どきだよね?なんで丸の内ってタイトルにするの?毎日新聞、フェイクは書いてないにしても、ひどいミスリードだ。
こういう写真の撮り方やめれ。実際には前後にだいぶ感覚あるよこの写真。マラソンを前から撮影しているのと同じ。
などと憤慨する人も。
また実際に、丸の内や月島に朝方、現場にいたとみられる人たちからも
『丸の内の出勤風景』がタイトルなのに、写真が晴海トリトンへ向かう出勤風景、晴海トリトンはいつもよりかなりかなり出勤人数は少なかったように見えました
などと指摘する声がみられた。
とはいえ、この日は毎日新聞の記者が取材にいったところ以外でもラッシュの様子を伝えるツイートは上がっており、夕方には東京都が発表した新型コロナウイルスの新規感染者数が144人と1日では最多の数を更新した。
この日の朝のラッシュ風景が、政府による法的拘束力のない緊急事態宣言の限界と、テレワークに移行しきれない日本企業の対応力を、あらためて本質的な問題として浮き彫りにした格好だ。
インフルエンサーでは、作家の橘玲氏が「首相が「在宅で仕事を」と要請しているのに自分たちがこれでは。民間に押しつけるだけでなく、官庁は率先してテレワーク率を公表すべきです。とりわけ厚労省の労働関係部門は「働き方」の見本にならなくては。」と指摘。
元日経新聞記者で、女性のワークスタイルについて発信している中野円佳氏も「これ大丈夫?」と呆れた様子だった。