中国との親密すぎる関係が取り沙汰されているWHO(世界保健機関)トップのテドロス事務局長が、8日の記者会見で、自身が台湾から人種差別的な人身攻撃を受けたなどと主張。これに対し、台湾政府が翌9日、事実無根だと抗議するコメントを発表したことで物議を醸し、日本のネット民から「お門違い」「中国の操り人形」などと失笑を買っている。
この日の記者会見は、中国から新型コロナウイルスの情報が初めてWHOに通知されてからまもなく100日を迎えるところで開催された。
日本の報道では、アメリカのトランプ大統領が、WHOが中国寄りの姿勢だとして拠出金を削減する意向を示したことについて、テドロス氏が「ウイルスとの闘いに焦点を当てるべきだ。ウイルスを政治化しないでほしい」などと反発したことに焦点が集まっていた。この報道だけでも日本のネットでは右派の人たちを中心に、テドロス氏への不信感を指摘する声が相次いでいたが、台湾を巡る発言については日本国内で当初はあまり報じられなかった。
しかし、日本時間の昼過ぎ、台湾メディアの「フォーカス台湾」日本語版が「WHOテドロス事務局長、台湾を名指しで非難 外交部「断固として抗議」」と題した記事を配信してから様子が一変。テドロス氏の台湾発言の様子が判明した。
記事では、
定例記者会見で、2、3カ月以上にわたり人種差別的な人身攻撃が続いていると強い口調で明かし、「3カ月前、この攻撃は台湾から受けた」と名指しした。さらに、台湾の外交部が中心に立ってテドロス氏を批判したと主張した。
などと伝えた上で、台湾外交部のコメントも紹介。公式サイトでもコメントは掲載されており、
台湾は成熟した素養の高い先進民主主義国家であり、WHO事務局長本人に対する人身攻撃を人々に促すことは絶対になく、ましては人種差別的言論を発表することはありえない。
などと反発して、テドロス発言を完全否定。
事務局長が彼の根拠のない主張を直ちに修正し、直ちに明確にし、わが国に謝罪することを要求する
と厳重に抗議した。国際機関のトップと一国の“政府”がここまで事実認識が異なるかたちで言い争いをするのは極めて異例だ。
「フォーカス台湾」日本語版のツイッターに日本のネット民は
WHOは、もはや中共の出先機関であることを隠そうともしないようだ。
また新しいネタを作ったね。お笑いのテドロス事務局長。
テドロス氏の意見が正しいと思う国はどこにもないだろう。中共ですら戦略的にテドロス氏の後援をしているに過ぎない。しかもこの非常時に自身個人への侮辱に逐次反論するなど議長たる才覚に欠ける。
などと総スカン状態だった。
インフルエンサーでは、ジャーナリストの門田隆将氏が「WHOテドロス事務局長が「過去3か月台湾から人身攻撃を受けた」と仰天発言。世界からの非難にテドロス氏がおかしくなってきた」と指摘。
自民党の佐藤正久参議院議員は「台湾を批判する事務局長、聞いたことがない。台湾以外の国々の国民からの批判の声は届いていないのか?中国擁護の初動が間違いだったことを素直に認め猛省すべき。台湾批判はお門違いも甚だしい」と呆れていた。