フランス社会党左派で、パリ市長のアンヌ・イダルゴ氏が安倍首相をまねしたのか布製マスクを配布することになった。「ないよりまし」。まさにそうなのだ。一世帯一枚というのでなく、一人一枚というのができるのは、マイナンバー制度がしっかりしてるからである。まずは、パリの日本語タウン誌であるオブニの記事は以下の通り。
アンヌ・イダルゴ=パリ市長は、4月7日、ラジオ局フランスアンフォの朝の番組で、パリ市民にマスクを配布する意向を語った。
「どんなタイプのスカーフでもマスクでも無いよりよい」。条例として正式には発せられていないが、イダルゴ市長はマスク着用を全市民に「強く推奨」。すでに、30社ほどの社会貢献性の高い企業に水温60度で洗濯も可能な布製マスク200万枚を発注済みで、準備が整い次第、市民に無料で配布する。具体的な日程、配布方法などは明らかにしていない。
また、4月8日付のル・パリジャン紙はコロナウイルス禍の後も消毒ジェルを地下鉄の駅や道路などにも配置するというグレゴワール市長補佐のコメントを掲載した。
フランスではマスク着用義務が拡がっており、ニース市でも市民にマスクを配布したのち、実施する予定だ。
しかし、これを「安倍マスクのフランス版」などとは、絶対に日本のマスメディアは書かない。文在寅のまねをしたというなら大々的に報道するだろうが、安倍政権と同じことをしても報道しないだろう。
ジョンソン首相が各国民に手紙を出したらしいが、逆に安倍首相が手紙を出してジョンソンがマスクを配ったら、「ジョンソンはマスク付きなのに安倍は手紙だけ」と散々言ったに決まっている。
今後買わさないないだけでなくため込んだ分を吐き出すためにどうするか社会的に知恵
地方の首長や議員でマスクのことで不満を書いているのがいるが、醜い限りだ。地方自治体では、このマスク配布に乗っかっていろんなことができる。
政府の配布するマスクだが、少なくとも地方都市だったら、自治会・町内会を通じて一人暮らしの人から一枚回収して3人以上の家族の人にまわせばどうしても欲しい人にはほぼ行き渡るはず。
そこに、たくさんため込んでいる人からの供出を受けるシステムを載せればさらに効果的だ。たとえば、「ひとり30枚以上のストックを持っている人は困っている人に回してください」と首長は呼びかければいい。
それに、地方だとどこの高齢者などが買い占めてるか分かっている。政府に文句を言う暇があったらそういうことをすべきだ。
高齢者によるマスク買い占めは許しがたいし、それを抑えられなかった政府も自治体も大馬鹿である。
しかし、状況は少し良くなった。昨日は近所のドラッグストアでこんな張り紙を見た。「入荷があった日のみ、営業時間内での不定期販売にする」のだという。
これまで高齢者が開店前から並んでいたが、このやり方なら抑え込める。高齢者は家に閉じこもっているべきで、マスクの買い占めのための“はしご”をするなど、どれだけ無駄に人生を送ってきたか宣伝してるようなものだ。
私は2月28日に『マスク不足解消の“特効薬”を提案する』を書いたのを皮切りに何度もこの問題を取り上げているが、象徴的な問題として国民の不満の対象になるのが分かっていたのだから、稚拙な対応ばかりが目立ってきたのは残念なことだ。
マスクの効用についての議論の整理
ところで、マスクの効用については、色々な議論があるが、私の整理は以下のようなことだ。
①日本ではマスクしておれば大丈夫という迷信があり手洗いなどが軽視されているので、マスクより手洗いが大事ということがマスク批判論の最大の内容であり、それはいまもまったく正しい。
②マスクは感染者がするのは意味があるが、非感染者にはそれと同じ意味はないというのも変化なし。
一方、変化があったのは、次の3点だ。
①最初は発病者から感染すると言われていたのが、発病しなくても感染者から感染するので念のためにしたほうがいいと言われるようになった。
②インフルエンザよりウイルスが遠くまで飛びそうなので、インフルエンザの場合よりはマスクの意味があるだろうという説も出ている。
③どっちにしても、少しでも感染リスクを減らす「可能性」があるなら「無いよりマシ」のつもりでマスクをするにこしたことはないと言われるようになった。
いずれにせよ、マスクの感染予防効果はしており、マスクをしているから、かなり有意に安全だなどと間違っても考えるべきであることの重要性は変化していない。