今週のつぶやき:堅調な市場、しっくりこないコロナ報道、在宅勤務是非論

岡本 裕明

7月に入り、カナダディ、アメリカの独立記念日が来ると夏が来た、と思いたいところですが、あまりの寒さでこの2-3日は遂に暖炉をつけてしまいました。外は雨。目の前のホテルに出入りする人はおらず、レストランはガラガラ。あぁ、何という夏なんでしょう。

では今週のつぶやきをお送りします。

堅調さを保つ市場の行方

アメリカの株式も日本の株式も方向感を失いつつあります。特に東京市場はチャート上、三角持ち合いが続き、どちらかにブレークする兆しはあります。アメリカの6月度雇用統計が引き続き改善し失業率は11.1%と前月から2.2%ポイント改善しています。多分ですが、アメリカのコロナはもう少し時間がかかりそうですが、7月以降も雇用は改善の方向にあるとみており、大統領選に向けておぜん立ては整えているという感じに見えます。

また、香港の国家安全法施行を踏まえ、アメリカとしては中国に負けられない国力を示す必要があります。その点からすれば株価は何としても支えたいところでしょう。基本的に金融緩和が進んでおり、当面利上げはなさそうだというシグナルから金が8年8か月ぶりの高値を付けたのも今週です。リスクヘッジという点からも今後、じわっと上昇するのかもしれませんが、2011年につけた1923㌦にリーチするかと問われれば現時点では私にはYESという自信はまだありません。

もともと7-8月は夏休み時期で市場も夏枯れと言われます。本来であれば7月1日から本格的な夏休みムード満開になるほどですが、いつもと違う今年の夏は投資家が案外、家から市場を眺めているとすれば材料株が派手な動きをすることもあり得るかもしれません。夏に踊り過ぎて、秋にその反動が来なければよいと思っています。

しっくりこない最近のコロナ報道

写真AC:編集部

夜の街がこれほど敵対視されるのは集中的に検査をしてどんどん膨れ上がる陽性者数に「ほら見たことか、酒飲んでバカ騒ぎしているからだ」と記事の書き手も読み手もそうストレス発散をしているからなのでしょう。ただ、ほとんどの報道は陽性者数や役所の対応の記事だけをカバーし、もう少し知りたいことを伝えてくれません。

NHKのコロナ特設サイトに「日本国内の死者数のまとめ」があります。これをみると上記の陽性者数とは真逆の真実が見て取れます。6月に入ってから死者数が激減しているのです。多くの日が死者数0-2名程度。6月1カ月で死亡者数は74名。一日だけ異常値が出ていますが、統計の読み方において通常は異常値は外すことになっていますので明らかに死者は減り、改善しているといってよいのでしょう。ちなみに重症者数も現在30名台前半で数は減り続けています。8月には重症者、死亡者数共ひと桁ないしゼロ近くになるかもしれません。

素人の私から見るとこれはコロナが変質化したか、感染力が弱まった可能性を感じざるを得ないのですが、医者も政府も役所も口が裂けてもそんなことは言わないでしょう。それは気の緩みを与えるからです。ただ、東京都もアラートの目標数値を出さない、国も再び非常事態宣言を出す状況にないといっているのはそのあたりを知っているからだとみています。つまり表の顔と裏の顔です。これはアメリカも同様。我々は事実をどう見極めるか、ここにきていると思います。

在宅勤務是非論

写真AC:編集部

富士通がオフィスへの出勤率を25%に抑え、事務所スペースを半減させるとしました。一方、伊藤忠やダイキン工業は通常の勤務体制にしています。日本電産の永守会長が同社の社員のケースとして在宅にすると生産性が3分の1に落ちたと述べています。どちらに向かうのか、ですが、個人的には在宅勤務バンザイは今だけだと考えています。いずれ収まった時、事務所分散化で「丸の内への出社には及ばず、だが近郊のサブオフィスへの勤務を命ず」が新しい働き方になるとみています。

なぜ通勤が必要か考えたことがありますか?人間には着替えて化粧して身づくろいして朝飯を掻き込んで外に出る、そしてそこで自分のモードを変えることが不可欠な要素なのです。私のかつての上司が面白いことを述べていました。クルマ通勤30分で運転している間に朝の家のごたごたを忘れ仕事モードにし、帰宅の際には会社のごたごたモードを忘れ家族と共に過ごすことを考える、と。私のメインオフィスには二人しかいません。だけど、賃料払って会社に行きます。雨の日も風の日もコロナの日もずっと通い続けています。一日たりとも在宅をしたことはありません。集中力が全然違うからです。

在宅している人の話。洗濯や掃除など家のことをしながら働けるし、部屋着でいいし、化粧代浮くし。でもそれでは刺激がなさすぎませんか?確かに今はネットでなんでもできる時代になりました。しかし、仕事をするというのは与えられたタスクだけをやるのではなく、周りからの刺激を受けて様々なアイディアを取り込むことが必要なのです。企業が一度でも在宅を許すと元に戻しにくくなります。これも人間の性。戻すなら今です。

後記

先日石破茂氏がテレビに生出演していて一緒に出演していた杉村太蔵氏から強烈な意見が飛び出していたと報道されていました。私もその番組、全部見ました。石破茂という人物がなぜ私の体質に合わないのだろうか知りたかったのでもう一度観察したかったのです。結論。この方は何を言っているかさっぱりわからない、これに尽きます。質問に対してまず言い訳のような回りくどいおねぇ調の言い回しがあるのです。もう一つはしゃべり方にメリハリがないのです。プレゼン能力に欠けるのですね。これでは日本は引っ張れないと改めて確信しました。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年7月4日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。