昨日は、東京都知事選挙でしたが、4年前に熱狂的な「緑のたぬき」旋風が吹き荒れた都知事選に比べて、全然盛り上がらなかったように個人的には感じます。
コロナの影響で街頭での選挙戦が殆ど行われていなかったこともありますし、「それどころじゃない!」とコロナ自粛で生きるのに必死という人も多いのかもしれません。
けれども何よりも4年前「これで東京が変わるかも!」と期待した都民も、「結局ドンがいようがいまいがなんも変わらないじゃん!」という「誰がやってもみな同じ」というあきらめムードが漂っているような気もします。
しか~し、この国民のあきらめこそ為政者の思うツボ。とにかく国民は「政治を少しでも良くする鍵は我々にある!」と誇りを持って行動するっきゃありません。
ところで我が家では、ここ数年選挙になるたびに憂うつな出来事があります。それは今年87歳になった母が、選挙に行くことを億劫がることですね。
少し前までは、私が車で連れていくからと言えばどうにか行きましたが・・・。毎回この「選挙に行こう!」と母を励ますことが実に疲れるんですよね。
実際「シルバーデモクラシー」なんて言葉もありましたが、東京都が令和元年のに発表しているこの年代別の投票行動を見ていると、最も多いのは70~74歳で、80代以上は45歳以上の人より低下しているんですよ。
現代社会で70~74歳なんてシルバーと言えるのか?という位若いと思うのですが、実際老後問題に直面するのがこの年代ですし、時間的余裕と健康が確保されている人が多いので選挙に行けるのでしょうね。
老親と同居してみてつくづく思うのですが、個体差が大きいと思いますが、人は80代の声を聞くとがっくりと体力と気力を失う人が多いようです。大病をすると尚更です。うちの母は昨年、胃がんの手術をし、一時期「腸ろう」になり、そこから回復しましたが、あきらかに気力・体力が衰えました。家の中で自分の身の回りのことはできますが、それ以上のことは極力したくない「選挙に行くなど面倒で嫌!」という感じになってしまいました。
母は全く痴呆などの症状はなく、政治には日頃から色々文句も言ってますし、なんだか知らないけど、昔から国際社会、特にアラブ情勢に非常に興味を持っている人で、よく色んなことを覚えてるんですね。あの記憶力は何にも世の中にいかせてませんが、50代の私がすごい!と感心する位です。世の政治家にあの記憶力を分けてあげたいほどです。
私なんぞ最近になって韓流映画の影響で、80年代の韓国の民主化運動に興味を持ち、母に色々当時日本ではどんな風に報道されていたのか?などと聞いたら、やたら詳しく教えてくれたほどです。現在も香港情勢に心を痛める母ですが、でももう「選挙はどうでもいい。行くのが億劫」といった具合です。
そこで老人が自宅で投票できる制度はないのか?と探してみましたが、なんとおどろいたことに総務省によると、高齢者の投票機会の確保って障害者手帳があるか、「要介護5」にならないと制度が使えないんですよね。
しかもそれも「郵便で投票できる」・・・って意味が分からないんですけど。こんな複雑な事前登録や、郵便ポストまでいける人なら、投票所に行けるじゃん?と思うんですが。
それに「要介護5」ってなかなか認定出ませんよ。うちの祖父母の時だってほぼ寝たきりだって要介護3とか言われましたからね。「とりあえず制度あります感」満載で、言い訳程度に作られたとしか思えない、これ実効性がどれだけあるの?と問いたいところです。あと、病院や老人ホームに入院中に投票なんて、一体何割くらい実現されているのか?と思いますね。
母を見ていると、やがて自分も「投票すらままならなく日が来るのか」と暗澹たる気持ちになります。自宅でネット投票できるようになって欲しい!と切実に思います。忙しく働いている世代はもちろん、老後だってネット投票は必要だと思います。投票率グンとあがると思うんですが、組織票の強い政党はわざとそれをしないのか?何度も議論にあがりながら一向に進みませんよね。
今後「政治生命をかけてネット投票を実現させる」という候補者がいたら、その人を全力で応援したい!と思っております。
どうかそういう候補者が現れますように!