自民党の公認候補を公明党が全力で応援すれば、必ず勝つ、ということが、改めて確認されたような今回の都議会議員補欠選挙だった。
補欠選挙が実施された4つの選挙区で、自民党公認、公明党推薦の候補がすべて勝った。
安倍総理の評判がいくら悪くても、自民党としては選挙に勝てればそれでいいのだから、安倍内閣の支持率が不支持率より大きく下がってきてもそれほど動揺はしないものである。
自民党の支持率が低迷を続けているが、今回の都知事選挙及び都議会議員補欠選挙では自民党は負けなかった。都知事選挙では決して勝ったとは言えないのだが、負けたわけではない。
自民党の執行部は、今回の選挙でそれなりに自信をつけたはずである。今なら、大負けはしない。そう、踏んでいるはずである。
自民党の支持率はジリジリと下がってきているような感じではあるが、公明党の全面的な選挙協力があれば、まず大負けすることはない、という印象がインプットされたはずである。
自民党の支持率は、河井夫妻の起訴でもう一段下がる。
コロナ対策の不手際が露呈すれば、益々下がる。
通常国会を閉会したので、野党から延々と攻撃されるような場面は当分ないだろうが、大学の入試や就職問題等で若い方々から不満の声が上がるようになったら、世論の風当たりが更に強まることが懸念される。
多分、右を向いても左を向いても、なかなか明るいニュースは出て来ないはずである。
この状態で来年まで衆議院の解散・総選挙を引き延ばすことは難しくなる。
来年は東京都議会議員選挙の本番が控えているから、公明党としてはそこまで衆議院の解散・総選挙を引き延ばすことには消極的になるはずだ。
公明党の全面的な選挙協力が得られそうな間に衆議院の解散・総選挙をやってしまうのが、自民党としての選挙に勝つための最良の方策だ、ということになったら、選挙に勝つためなら何でもやってしまう安倍総理なら、躊躇なく衆議院の解散・総選挙に踏み切るはずだ、というのが私の見立てである。
政権運営はともかく、選挙には強いのが、安倍総理。これは、本能的なものだと思っている。
人を見る目がどの程度備わっているのかは疑問だが、機を見るに敏、というところか。野党の態勢が十分整っていない時を見澄まして、伝家の宝刀を抜く。
安倍長期政権の秘訣は、ここにある。
多分、野党の選挙協力体制の構築はなかなか進まない。立憲民主党の勢いが落ちていることは誰の目にも明らかだから、やはり狙い目は今年の秋口である。
まあ、当たるも八卦、当たらぬも八卦の類であることは否定しないが、後日のためにあえて書いておく。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年7月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。