今週のつぶやき:トランプの株価対策、問われるリニアの必要性、渡航制限撤廃あるか

7月から始まったレジ袋有料化に関し、一部でなにやら盛り上がっているようです。紙袋も有料にすると発表したファーストリテイリングの影響もあるのでしょう。日本は包装を一つの美と捉え、文化にすらなっています。あのビニール袋ですら持つところをくるくると丸めて客が持ちやすくするなど海外ではありえない工夫です。一方、カナダではコロナで異変が起きていて自前のバックは菌がついているかもしれないからとビニール袋を無料でどんどん出すところが増えています。なかなか難しいものですね。

では今週のつぶやきをお送りします。

トランプ大統領は株価をどうしたいのか?

ホワイトハウス

大統領選が本格的になるこれから数カ月、トランプ大統領が起死回生の大逆転を狙うには株価を上げ、景気回復を後押しすることは極めて重要な政策です。実際、7日に発表された7月の雇用統計を巡って2日前に大統領が「7日の雇用統計ではまた大きな数字が出てくる」と事前リークまでしました。これはあまりないケース。本当にそうなるのか蓋を開けてみたら確かに0.9%ベーシス改善し失業率は10.2%まで改善しました。

メディアはいろいろ好きなことを書くので読み手がどう取るかは勝手ですが、個人的には順調な回復ぶりだと思っています。大統領もそれを期待させたくて事前リークしたのですが、金曜日の株価はすっきりせず。理由はせっかくの良いニュースを打ち消して米中の関係悪化がアメリカ経済にマイナスに響くというものでした。ウィーチャットまで禁ずるのは正直驚きです。

デカップリング論争というのが数年前にありました。グローバルにならなくても大丈夫ではないか、という議論でしたが専門家は困難というところで落ち着いた経緯があります。米中のデカップリングを今、本格的に進めるのでしょうか?米ソの冷戦時代とはわけが違います。旧ソ連は人口が3億人弱。ガチ勝負で勝ったわけですが、今度は13億人の相手です。企業側と経済が大統領のペースについていけるか、ここが難所のような気がします。

コロナで変わる世界、リニア新幹線は必要か?

政府広報室サイトより

何年も前にJR東海がリニア計画を打ち出したとき、私は必要なのだろうか?と疑問を呈したところ、数多くの方から当然必要であるとのご意見を多数頂戴しました。私は今一度、伺います。リニア新幹線は必要なのだろうか、と。そもそもリニアはビジネスマン向けの移動手段と察しています。事実、コロナまでは新幹線はビジネスの人でいっぱいでした。移動し、顔を合わせるビジネスが当たり前だったからです。

今、その常識がぐーっと変わる中、コロナが収まったのち、出張の観念が変わり、人の移動は大きく減るとみています。それはビジネス客が飛行機による国際間の移動を減らす動きがあったのと同じです。つまり動かなくていいものなら出張なんてしない方がいいに決まっているのです。コロナはその背中を押したということでしょう。

もう着工してしまったので止められないので考え方を変えて第二大動脈として東海道新幹線と併用するという発想をもっと前面に押し出すしかないのでしょう。災害が多い日本のバックアップインフラであります。とするなら国家事業としての位置づけにしてしまったほうがよい気がします。静岡の問題はなんだかよくわかりません。環境アセスは何だったのか、問題の本質が分かりにくく、私には理解できないです。

海外との往来は回復するか?

我々のように海外在住邦人にとって日本との往来が実質的に機能しないのは極めて厳しい状況であります。先日も当地で日本との往来に関するウェビナーが開催され、たくさんの方が参加されたと同時に数多くの切実な意見を頂戴しており、今、取り纏めているところです。では今後、どうなるのかですが、個人的感覚ですが秋に向けて段階的に制限が緩和されてくる可能性はあるとみています。

最大のポイントは8月6日にアメリカが渡航制限レベル4を外したことです。この結果、一律の制限から二国間など個別協議に入る道筋が出来ました。これによりアメリカとカナダが現在制限している国境封鎖が8月21日期限となっていますが、その時点で緩和される公算が出てきたかもしれません。併せて8月31日と9月1日頃に見込まれるアメリカでのG7サミットで主要国間の渡航制限が議論されるとみており、日本は懸案の14日間の隔離制限を撤廃するかが注目点となります。

ウェビナーを通じたボイスでは14日間の隔離制限撤廃を望む声は非常に強くあります。そもそも陰性なのに14日隔離という処置は2-3月頃の状況を前提としていますが、現在大きく改善された周辺環境を鑑み、これは安全策を施したうえで撤廃できるのではないかとみています。また、日本に永住権を持つ外国人の入国が制限されているのも人権上の問題があり、改善が必要だと思います。

後記

韓国、文大統領の首席秘書官全員が「最近の状況に関連し、総合的な責任を取り」辞任しました。非常にユニークな国だと思います。これで大統領は裸の王様、組織力も欠如。以前から指摘されてきた文大統領認知症疑惑説や一貫性のないポリシーを含め、日本は距離を置き続けるしかないのでしょう。一斉辞任原因の一つ、ソウルの不動産価格高騰問題は来週お伝えします。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年8月8日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。