産出量が少なかったり、精錬が困難な希少金属をレアメタルと言います。
レアメタルは34鉱種、そのうち17元素をレアアースと言います。
我が国にも存在するものが一部ありますが、産出量や生産コストの問題からレアメタルもレアアースも全て輸入しています。
これらは、特に現代のハイテク製品の製造には欠かせません。例えば、パソコン、電気自動車、スマートフォンの電池などにも使われている事から、戦略物資とも言破れます。2010年に尖閣諸島沖で領海侵犯をした中国漁船を拿捕した際に、中国が報復措置として日本に対してレアアースの輸出制限をした事で、価格が一気に10倍になったこともありました。ですから、資源の安全保障の観点からは、自国で生産できるに越したことはありません。
近年、日本近海の海底には豊富なレアメタルがあることが、大学の研究グループによって発見され、国も調査や採掘試験を進めています。水深数千mという海底からの採掘だけでも、技術的に困難な事業ですが、これを精錬して量産化し、産業化できるかどうかは、コストの問題をクリアしなければなりません。
我が国では1983年にレアメタルの備蓄制度を作り、現在34鉱種55元素が備蓄対象になっており、国内で消費する60日分の量を国と民間で備蓄目標量としています。国際政治情勢のリスクなどを考え、使用量を減らすことや、代替材料の開発が積極的に進められています。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年8月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。