富裕層が1番欲しいものは「人気店の予約」

ビジネスでいわゆる富裕層にコンタクトしようとしても、親から資産を受け継いだような人を別とすれば、一般に富裕層の人たちのライフスタイルは忙しく、なかなか時間を割いてくれません。

そんな人たちに、ダイレクトに仕事のアポイントメントを入れても後回しにされるのがオチです。では、どうしたら会える可能性が高まるのか?

「予約の取れないお店」に誘うことです。

「来週お時間いただけますか?」ではスルーされるのに「来週〇〇日の18時から三ツ星の〇〇の予約が取れたのですが、ご一緒しませんか?」と言えば、他の予定をキャンセルしてもスケジュールを合わせて会うことができる可能性があるのです。

写真AC:編集部

富裕層ビジネスを立ち上げる多くの企業が間違えているのが、彼らの本当に求めていることを理解していないことです。

お金を出せば買えるものや、一般に提供されているサービスのディスカウントなどは、無いよりはあった方が良いサービスですが、心が動かされるようなサービスではありません。

お金を出しても手に入らないもの、一般には販売されていないものを提供できることが一番大きな価値提供になります。

富裕層の日常生活の中でお金で買えない一番の価値が「人気のお店の予約」なのです。

コロナ禍で飲食業界は大きな打撃を受けていますが、ハイエンドの飲食店はコロナなどまったく関係なく、予約が取れない状態が続いています。中には2022年の年末まですべて予約が入っているお店もあると聞きました。

そんな価値提供ができるような富裕層向けのサービスがあれば利用したいですし、もし無ければ自分で作ってみたいと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年9月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。