コロナ騒動、いつまで?

岡本 裕明

新型コロナの猛威は日本だけではなく、欧州、そしてここ北米でも急激な感染者数の上昇を見せています。私のオフィスが入居する雑居ビルでも一人感染者が出たらしく、通達が回ってきています。建物の管理会社は大変で当局の指導に基づくより強化した感染対策を施しています。建物の内で公共の場所やドアノブなどをずっと拭き掃除している方がいますが、大変だと思います。

JJ Gouin /iStock

北米ではマスクなんてしないのだろう、と思っている方もいますが、アメリカのトランプ大統領支持者層はそうかもしれませんが、このところ、マスクの着用は進んでおり、逆にマスクをしない人は少なくなった気がします。ここBC州は公共の場でのマスクが強制になりました。ハグとかキスをするのだろう、といまだに思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、私が知る限り街中で握手すら見たことがありません。こちらの方は割とこういうことに対して恐怖心を抱きやすく、従順な方が多い気がします。

むしろ、日本は「夜のビジネス」の浸透が災いしていると思っています。なぜ、あれだけの人が夜、夜中まで酒を飲み続けるのか、こちらではそのような夜遊びコンセプトがそもそもないので不思議でしょうがないのです。少子化対策のベストなやり方は「夜の街ビジネス」を無くすことではないかと冗談抜きで思ったりしています。とにかく、夜のエンタメライフはアジアの特徴だと思いますし、これが先日の「東アジアはなぜ出生率が低いのか」というところに納得感がでるのです。

さて、このコロナ騒動、いったいいつまで続くのか気になるところです。最近の報道はどれも表面的感染者の数と地方自治体の対策ニュースが主流で本質論を聞くことはまずありません。なぜ第3波が発生したのか、これはいつまで続くのか、であります。

私は医者でも研究者でもないわけで何の根拠もないのですが、個人的に様々な知識や想像を巡らせるといくつかの発想に行きつきます。

まず、2002-3年に流行したSARSは同じコロナウィルスですが、なぜ、突然消えたか、であります。これはいまだに解明されていません。でも消えたのは事実です。

次に今回のウィルスは武漢からスタートしたものがどんどん変化したと理解しています。ではウィルスはなぜ変異するのでしょうか?私の理解はウィルスも「種の保存」を目指していたのではないか、と思うのです。

春に大流行し多数の死亡者を出したウィルス種は「種の保存」ができなくなりました。なぜなら宿った主が死亡したからです。そこで別の形に変異し、違う形で生き残りを模索します。こうやって変異を繰り返した結果、アメリカや英国の調査では数百種類あるのではないか、との発表もあります。

しかし、「英グラスゴー大学の研究チームは、こうした変異でウイルスが別の種になってしまうわけではないと説明する。同大学は研究の結果、現在流行しているウイルスは1種だけだという結論に達している」(BBC NEWS)とあります。私には数多い変異は亜種であり、生存力は弱いのではないか、と思っています。

では変異は無限に続くのかと言えば京都大学大学院の上久保靖彦教授は「新型コロナのスパイクが変異可能な数は最大で12~14で、ひと月に1回ほどの頻度」と述べています。その後は「ただのコロナウィルスになる」そうです。とすれば武漢のコロナが昨年12月から始まったので変異は最大数に達していることになり、SARSの時と同じように突然、消えることは起こりえるのではないか、という説明も可能です。もちろん、これを検証する術がないので希望的観測が大であります。

インフルエンザも変異します。よって毎年、その型に合わせたワクチンを作っています。インフルエンザを人類で制御しているかどうかは議論があるところです。日本では大体年間3000名強、アメリカで1万人が亡くなります。

ただ、この数字はインフルエンザそのものが原因の場合でこれとは別にインフルエンザを引き金に持病が悪化する「超過死亡概念」があり、これを含めると概ねこの3倍の1万人ぐらいが亡くなっています。これが今のところ、今年はすっかり収まっているのですが、ニュースにしないのは偏向報道だといわれるでしょう。

現在のウィルスは「弱毒化」しているとされます。それは今のウィルスがそうかもしれませんが、亜種なりなんなりで変異した時、より強くなることはもちろんあり得るでしょう。しかし、医学の世界も生物界も同じで自分だけ強く生き延びることは絶対に不可能であります。

一つの種が生物界を征服したことはないのです。恐竜だっていなくなりました。ウィルスもそうであるはずなのです。これは言い換えると「共存の原理」が働いているとも言えます。海の中を覗けば様々な生物が共存してるし、環境に適応するよう自分をアジャストしています。これが人間に寄生するウィルスとの付き合いに置き換えるとしたらどうでしょうか?

とすればウィズコロナは今後しばらくは当たり前のようになってくるかもしれません。そして長い時間をかけて人々はコロナに対する免疫性を獲得し、コロナはいずれその形では生存できなくなるというが自然界の摂理ではないでしょうか?ワクチン開発は望まれますが、これは対処療法であって根本的な問題解決の追求ではないことが大事です。

少なくとも我々はコロナと共生していることをもっと意識すべきで「夜の街」に規制をする以前に「夜の街」に繰りださないという道徳心を持つことが必要です。それは日本人のように均一的に高い教養と教育を受けてきた人種だからこそ克服できる部分だと信じています。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年11月22日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。